研究課題/領域番号 |
07671263
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
松井 克之 帝京大学, 医学部, 助手 (20256027)
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研究分担者 |
長瀬 光昌 帝京大学, 医学部, 教授 (00010124)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 膜性腎症 / 蛋白尿 / 実験腎炎 / ラット / EHS腫瘍 |
研究概要 |
EHS腫瘍をMeshを用いて細胞成分に分離しし200mMNa_2CO_3緩衝液に浮遊しホモジェナイザーを用いて細胞を懸濁した。懸濁液を10,000rpmで遠心後上清をさら33,000rpmで超遠心し沈渣を得た。この沈渣より細胞外基質を除去する目的で0.5MNaCl注に浮遊させ同様に超遠心し再び沈渣を得た(EHC-UCP)、この沈渣は電子顕微鏡的検索によりほぼ細胞膜成分であることを確認した。EHS-UVPを計160mgアジュバントとともにラットに免疫したところ、免役6週より蛋白尿が出現し15週の観察期間中蛋白量は増加し屠殺時には約500mg/dayに達した。形態学的観察では光顕上免役後8週より糸球体基底膜の肥厚を認め15週ではこの変化はさらに顕著となりSpike形成も認められた。蛍光抗体法による検索においては糸球体係蹄壁に沿っ顆粒状にIgGとC3の沈着を認め顆粒の大きさは経時的に増大した。電顕的観察では上皮下にelectron dense depositを認めその大きさは経時的に増大した。これらの形態学変化はヒト膜性腎症に極めて類似していた。さらにEHS-UCP中の腎炎発症責任抗原を検索する目的で本腎症モデルにおいて糸球体に沈着した免疫グロブリン(EHS-IgG)を抽出精製して免疫ブロティング法を行った。EHS-UCPをPVDF膜に転写しEHS-IgGと反応させたところ63Kdに反応を認めた。以上の結果よりEHS腫瘍により惹起されたEHS腎症の責任抗原はEHS腫瘍の細胞膜中に存在する63Kdの蛋白質であることが強く示唆された。 また、ヒト膜性腎症において併発することのある、大腸癌、胃癌と本抗原との関連について検索したところこれらの腫瘍組織にも分子量63Kdの本抗原が存在することが免疫ブロティング法により明らかになり、免疫組織化学的検索によりその抗原は腫瘍細胞の細胞膜に存在することが示された。
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