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アルポート症候群の分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671270
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 腎臓内科学
研究機関川崎医科大学

研究代表者

の村 信介  川崎医科大学, 医学部, 講師 (20198625)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
キーワードアルポート症候群 / N型コラーゲン / 分子遺伝学 / 突然変異 / 遺伝性糸球体腎炎 / 糸球体基底膜 / SSCP
研究概要

平成7年度の科学研究費申請時に掲げた目的のうちで本年度に結果を得たことは、我が国のAlport症候群におけるIV型コラーゲンα鎖遺伝子(COL4A5)の突然変異の特徴を明らかにしたことである。
COL4A5はエクソンが51個あるため、スクリーニングとしてPCR-SSCP法を採用した。アルポート症候群60例において、COL4A5の全51個のエクソンの検索を終了した。その結果COL4A5から22種類の突然変異が判明したが、各家族がそれぞれ異った突然変異であった。突然変異は一塩基置換や数塩基挿入や欠失であり、PCR-SSCP法が非常に有効であった。つまり、我が国のアルポート症候群は、欧米諸国の患者に比べると点突然変異、数塩基挿入や欠失などの小さな変異が多いことが判明した。
この特徴(genotype)は我が国のアルポート症候群の臨床症状(phenotype)にも関連しているかもしれない。我が国のアルポート症候群は次の二点に関して欧米の症例と比べ特徴がある。第一点は、腎移植を受けたアルポート症候群患者は特殊な拒絶反応として時にalloantibodyによる抗基底膜抗体腎炎を起こすことがある。これは殆どが欧米から報告されているのみで、我が国からの報告は認められない。第二点は、びまん性食道平滑筋腫症という良性腫瘍がアルポート症候群に合併することがあるが、我が国からの報告はやはり現在までに2〜3例にしか過ぎない。これらの特殊な症状を有するアルポート症候群が我が国において稀である事実は、今回の我々の研究によってある程度説明が可能になったと思われる。と言うのは、これらの欧米患者には、我が国には稀な突然変異であるCOL4A5からCOL4A6におよぶ範囲の広い遺伝子欠失が多く認められているからである。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Shinichiro Kawai: "The COL4A5 gene in Japanese Alport syndrome patients : Spectrum of mutations of all exons." Kidney Int.49 (3). 814-822 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Tatsuo Fukushima: "ACE genotype and progression of IgA nephropathy." Lancet. 346. 571 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Shinsuke Nomura: "Gallium 67 Scintigraphy as a Predictor of Renal Prognosis in Primary Immunoglobulin A Nephropathy." Am. J. Kidney Dis.27 (2). 204-208 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Shinsuke Nomura: "Page kidney in a Hemodiatyzed patient." Nephron. 72 (1). 106-107 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Shinsuke Nomura: "Alport syndrome-from molecular genetics, to the patients.: Recent Advances in Molecular Nephrology" Kohko-Do, Niigata, 12 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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