研究課題/領域番号 |
07671280
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉田 幸洋 (吉田 吉洋) 順天堂大学, 医学部, 教授 (90166950)
|
研究分担者 |
中村 靖 順天堂大学, 医学部, 助手 (70207926)
桑原 慶紀 順天堂大学, 医学部, 教授 (20010324)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 胎児仮死 / 実験周産期医学 / 体外循環 / 高二酸化炭素血症 / 脳室周囲白質軟化症 / 人工胎盤 / 体外環境 / 虚血・再潅流 / 胎児子宮外保育 / 膜型人工肺 |
研究概要 |
低酸素症に陥った胎児が胎児仮死を発症する過程において示す血流再分配の機構に関しては低酸素症とそれに付随する高二酸化炭素血症によるものであろうと推測されているが、その詳細はなお不明である。本研究では、胎児・胎盤循環を含めた末梢循環の減少と胎児脳循環の増加といった血流再分配が、低酸素症そのものにとるのか、あるいは、同時に存在する高二酸化炭素血症によるのかを明らかにするために、各種付加を行った際における胎児の各種生理的パラメータの変化について検討すると共に、未熟ヤギ胎仔においては、胎児・胎盤循環に大きな変動が生じた際に血流再分配機構が維持できなくなり、胎児中枢神経系に障害がおよぶ可能性があるかどうかに関して検討した。実験はすべて子宮外ヤギ胎仔保育実験法によった。 高二酸化炭素血症(HC)の胎児循環におよぼす影響については、脳血流を反映すると考られる総頚動脈血流量は軽度のHCでは変化が見られなかったが、高度のHCでは有意に増加した。一方、心拍数は軽度HCでは軽度に上昇したが、高度HCでは有意に低下した。以上のことから、化学受容体を介するHCに対する反応性は、慢性的な刺激で低下する可能性が明かとなるとともに、胎児仮死において出現する徐脈の原因として、慢性的なHCの関与が示唆された。 また臍帯静脈に送血する体外循環回路の閉鎖・開放を繰り返すことにより、虚血・再潅流モデルを作製し、胎児・胎盤循環の変動が中枢神経におよぼす影響に関して検討した。5例の子宮外保育中のヤギ胎仔に負荷実験を行ったところ、3例に脳室周囲の深部大脳白質に限局性の凝固壊死巣を認めた。この病変は、脳室周囲白質軟化症(PVL)の初期病変に一致しており、脳血流の自動制御能が未熟な未熟ヤギ胎仔胎仔では、臍帯循環の変動に伴って中枢神経系の虚血・再潅流が発生し、PVLが発生する可能性があることが明らかとなった。
|