研究課題/領域番号 |
07671289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
八代 享 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20157978)
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研究分担者 |
原 尚人 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80189688)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / インスリン様成長因子 / インスリン様成長因子結合蛋白 / 副腎皮質腫瘍 / インスリン様成長因子受容体 / 副腎皮質癌 / 症遺伝子 |
研究概要 |
[目的]我々はインスリン様成長因子(IGF-I)がヒト甲状腺細胞の増殖を促進することを既に報告した。そこでヒト甲状腺癌とその周囲の正常甲状腺組織中のIGF-I含量、およびそのmRNA発現量を測定し、比較検討した。また同時にヒト甲状腺癌組織中IGF結合蛋白(IGFBP)についてもノーザンブロット法により解析を行った。 [方法]甲状腺腫瘍組織(甲状腺乳頭癌8例、濾胞癌3例、濾胞腺腫14例)よりいIM酢酸にてIGG-I,IGFBPを抽出した。酸性条件下でゲル濾過(Sephadex G-50)した後、フラクション中のIGF-Iをラジオイムノアッセイで測定した。IGF-ImRNA発現はスロットブロット法で判定した。IGFBPについてはウエスタンリガンドブロット法とノーザンブロット法で解析した。 [結果]IGF-I免疫活性は大分子領域と本来のIGF-Iに相当する部分の2つに溶出された。後者はIGF-I自体であり、これから算出した組織内IGF-I含量はは正常部と癌部で差を認めなかった。IGF-ImRNA発現量にも差を認めなかった。一方、大分子領域におけるIGF-I免疫活性はIGFBPによる非特異的なものであることが判明した。この分画を125I-IGF-Iを用いたウエスタンリガンドブロットで解析したところ分子量30〜34KDaに相当するIGFBPが癌組織で著名に増加していることが判明した。ヒトIGFBP1〜6までのcDNAプローブを用いたノーザンブロットでは、全例においてIGFBP2mRNAの発現量が増加していた。TC細胞においてもIGFBP2とIGFBP4のmRNAが発現していることが分かった。TC細胞に対して、その増殖を刺激することが知られているIGF-I10%,FSCを添加し、IGFBP2mRNAに対する影響を検討したところ、IGFBP2mRNA発現量に変化は認めなかった。 [結語]ヒト甲状腺癌組織中のIGF-I含量、IGF-ImRNA発現量は正常組織中のそれと差はないが、癌組織においては正常組織に比較してIGFBP2mRNA発現量が増加しており、ウエスタンリガンドブロットで認めた30〜34KDaIGFBPの増加に対応することが判明した。癌組織におけるIGFBP2の増加は単に細胞増殖の亢進に伴った結果ではなく、その腫瘍の増殖になんらかの役割を担っていることが示唆された。
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