研究課題/領域番号 |
07671298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
舟橋 啓臣 名古屋大学, 医学部, 講師 (50135357)
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研究分担者 |
諸橋 憲一郎 九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30183114)
今井 常夫 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80252245)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 転写因子 / 副腎皮質 / ACTH (andrenocorticotropic hormone) / ステロイド合成 / ACTH受容体 / ACTH(andrenocorticotropic hormone) / ACTH |
研究概要 |
(1)ラットを用いたAd4BP、NGFI-B、COUP-TFなどの転写因子発現調節の検討 ステロイド合成酵素チトクロームP450c21のプロモーターには、Ad4BP以外にNGFI-BやCOUP-TFの結合部位が報告されている。そこでこれら転写因子がSCTHによるステロイド合成に関わっているか否かを検討した。即ち、内因性ACTH分泌をデキサメサゾン投与により完全に抑制したラットを用い、ACTH投与によるAd4BP、NGFI-B、COUP-TF遺伝子の発現調節を検討した。その結果、NGFI-B mRNAはACTH投与後60分をピークに一過性に上昇し、Ad4BP、COUP-TF mRNAの発現は3時間までの観察期間中変動しなかった。一方、ゲルシフトアッセイでこれら転写因子のDNA結合能の変動を検討すると、Ad4BPの結合活性はACTH投与後一過性の増加を示した。従って、ACTH投与によりAd4BPは燐酸化などの修飾受け、活性化されると考えられた。 (2)副腎皮質腫瘍におけるAd4BP、NGFI-B、COUP-TFなどの転写因子発現の検討 3例のクッシング症候群患者および1例のアルドステロン産生腺腫の患者の副腎皮質腫瘍組織を腫瘍部及び非腫瘍部に分け-80℃に凍結保存した。各標本よりRNAを抽出し、ノーザンブロット法で解析した。クッシング症候群患者ではAd4BPおよびCOUP-TF mRNAは非腫瘍部及び腫瘍部で同じ濃さのバンドとして検出され、NGFI-B mRNAは非腫瘍部で腫瘍部よりも濃いバンドとして認められた。アルドステロン産生腺腫でAd4BP mRNAは腫瘍部では殆ど検出されず、NGFI-B、COUP-TF mRNAは腫瘍部と非腫瘍部で発現が認められた。ステロイド合成酵素遺伝子の合成に関わる転写因子が腫瘍と正常組織で異なる発現を示したこの結果は、Ad4BP、NGFI-B、COUP-TFなどが副腎皮質腫瘍のホルモン産生の多様性に関わっている可能性を示唆している。 (3)クッシング症候群を伴う副腎皮質腺腫におけるACTH受容体発現異常に関する研究 7例のクッシング症候群患者から得られた副腎手術標本を用いてACTH受容体遺伝子の発現を検討した。その結果、非腺腫組織では、この受容体遺伝子の発現が強く抑制されているのに対し、腺腫組織ではこの抑制が認められなかった。この結果は、受容体遺伝子の恒常的発現がグルココルチコイド産生腫瘍の発症に関与していることを示唆している。
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