研究概要 |
1)肝阻血によるクッパー細胞活性化の検討 WKAラットを用いて肝の部分阻血を行う。lateral lobe,及びcentral lobeを一定時間(15,30,45,60,80,100分)阻血し、血流再開60分後に阻血された部分肝のクッパー細胞を単離し、latex beads貧食能、TNF,IL-6,IL-8産生、プロスタグランデイン産生について検討した。latex beads貧食能、TNF産生は肝阻血により活性化されることが判明したが、その他のサイトカイン産生には有意差を認めなかった。 2)肝阻血による肝の形態学的変化及び、肝機能に及ぼす影響の検討 血流再開後に非阻血葉(central,caudate lobe)を摘出し、術後経時的に生存率、肝血流量、胆汁産生量、肝機能(GOT,GPT,ALP,LDH,Alb,T.BIL,NH3)を測定した。肝逸脱酵素の上昇と胆汁産生量の低下が動物の生存率低下と関係していることが判明した。レーザー血流計による肝血流測定は個体差のバラツキが大きく解析不能であった。 3)クッパー細胞阻害剤の効果 GdCl3(7mg/kg/day)を阻血の24,48時間前に静脈内投与し、1)、2)と同様の実験を施行したが、GdCl3は生存率を改善し、サイトカイン(TNF産生)を抑制することが判明した。 4)障害肝モデルの作製 肝毒であるdimethylnitrosamine(DMN)と四塩化炭素を用いた二つの肝障害モデルを作製し、同様の阻血実験を計画しているが、現段階ではデータは得られていない。来年度引続き行う予定である。
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