研究概要 |
胸管より採取したリンパに含まれる凝固・線溶因子:フィブリノゲン(Fbg),α_2-プラスミン・インヒビタ(α_2-PI),プラスミノゲン・アフチベータ・インヒビタ(PAI-I),プラスミノゲン(Plg),組織型プラスミノゲン・アフチベータ(t-PA),ウロキナーゼ型プラスミノゲン・アクチベータ(u-PA),アンチトロンビンIII(ATIII),プロテインC,トロンボモジュリン(TM),tissue factor(TF),tissue factor pathnay iuhikitor(TFPI)を測定し,同時に未梢血より分離したplasmaと比較した。リンパTFおよびu-PA抗原レベルは血漿と比較し,有意に高値を示したが、他の因子の抗原値は血漿レベルより低いことが明らかになった。特にリンパゲル化遅延の原因のひとつにFbg低値が関与すると考えられる。 第VIII因子,t-PA,u-PA,TMに対するモノクロナル抗体を用いた検討では免疫組織学的にリンパ管(胸管)内皮細胞での染色が血管内皮細胞と同様に認められた。血漿と比較し,リンパu-PAの高値を示す要因として,内皮細胞での産生能の差異によるものと考えられる。 一方リンパ管(胸管)内皮細胞の培養を行なったが,培養糸の確立には至らず、今後も継続して行なう予定である。
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