研究課題/領域番号 |
07671322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
上田 和毅 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40160163)
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研究分担者 |
中川 雅裕 自治医科大学, 医学部, 助手 (00285793)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脱神経性萎縮 / 神経埋入 / direct neurotization / 神経移植 / babyshitter効果 / 脱神経萎縮 |
研究概要 |
筋肉が神経再支配を受けるまでの待機期間に,別の神経による早期からの神経支配を与えることによって脱神経性萎縮を予防することができる(babysitter効果)かどうかを検討した。 Wistar系ラットにおいて、左下肢で脛骨神経から分岐して腓腹筋外側頭に分布する神経枝を剥離露出し、切断、一群ではこれをただちに縫合(神経縫合群)、もう一群では同側より採取した腓腹神経(長さ1cm)を移植して縫合した(神経移植群)。同時に腓骨神経を切断し、その中枢端を腓腹筋外側頭に埋入した。右下肢は対称として腓骨神経の埋入操作のみを除いて同じ操作を行った。また別に、神経移植群と同じ操作を行った後、2ヶ月後開創し、埋入した腓骨神経を切断する群(神経移植一切断群)も作成した。各群(n=20)について、操作終了後6ヶ月を経て、腓腹筋外側頭に対し、組織学的、電気生理学的に検討を行った。 その結果、神経縫合群では湿性重量比(対照側を100%として)116%、筋線維直径比108%、等尺性収縮力113%、神経移植群では湿性重量比125%、筋線維直径比107%、等尺性収縮力102%、神経移植切断群では湿性重量比112%、筋線維直径比105%、等尺性収縮力110%であった。すなわち,babysitter効果は神経縫合群で認められたが、本来の神経の再生が遅れる神経移植群では認められなかった。これにより、神経埋入操作を加えても本来の神経による神経再支配が遅延すると、筋収縮力は増加しない(すなわち、babysitter効果がない)ことが判明した。しかし、埋入した神経を途中で切断するという新たな操作を追加すると、やや弱いながら再びbabysitter効果が認められるようになった。これらの結果より、一時的に他の神経を筋肉内に埋入させ、脱神経性萎縮を防止することはある程度は可能であるということが示唆された。
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