研究概要 |
1、Topisomerase活性と各培養細胞にたいするTopo IおよびTopo II阻害剤のED50とには関連が認められた。すなわちTopo活性が高い細胞ではこれを標的とする阻害剤に感受性が高い傾向を認めた。 2、Topisomerase IおよびTopisomerase II阻害剤を同時投与した場合に比べて異時性(sequential)に投与した場合により相乗効果が認められた。またED10のTopisomerase阻害剤を先行投与することにより、相補的なTopisomerase阻害剤の殺細胞効果を相乗的に増強することができた。特にこの傾向は、Topisomerase I阻害剤を先行投与した場合、またTopo I活性の高い細胞において著明に認められた。 3、in vitroで、Topisomerase IまたはTopisomerase II阻害剤によるTopo活性誘導の有無を検討した。投与量はED10,50とし、2,4,8,12,24時間目のTopisomerase活性を経時的に検討したが明らかなTopo活性の誘導は認められなかった。 4、in vivoではTopo活性を増強すべくoptimal dose、optimal scheduleはなかった。 以上よりTopo阻害剤によるTopo活性の誘導はないが、大腸癌の化学療法として臨床応用を行う上では、標的癌細胞のTopoI,II活性を測定し、活性値の高い方のTopoの阻害剤を後投与とし、弱い活性のTopo阻害剤を先行投与することが重要であることが示唆された。
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