研究課題/領域番号 |
07671348
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 国立小児病院 |
研究代表者 |
絵野沢 伸 国立小児病院, 実験外科生体工学部, 研究員 (40232962)
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研究分担者 |
掛札 敏裕 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科生体工学部, 研究員
鈴木 盛一 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科生体工学部, 部長 (00111386)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 異種移植 / ラット / ハムスター / Western blot / Woodruff assay |
研究概要 |
臓器移植は種々の優秀な免疫抑制剤の出現によって世界的に末期臓器不全の根治療法として認知されるようになった。しかしながら、この結果深刻なドナー不足が起きつつあり、ドナーをヒト以外の動物に求める異種移植について真剣に検討されるべき時期を迎えている。 我々の研究によりハムスターからラットへの異種心移植がレシピエントの脾摘出と免疫抑制剤デオキシスパーガリン投与によって20日前後という長期間にわたり生着することがわかった。そこで問題となるのは同種異系移植と同様に移植後2週間前後に起きる液性免疫反応と細胞性免疫反応である。脾摘、薬剤併用群において移植後1週間以降から抗ドナー抗体は徐々に増加する。しかし移植心が停止した時点での抗ドナー抗体価は無処置群における急激な増加に比し穏やかで、液性免疫反応のみが拒絶に関わっているのではないと推察された。実際、in vitroのリンパ球混合培養で異種抗原は同種異系抗原ほどリンパ球活性化を起こさないが、ある種のT細胞(Th2と考えられる)はよく活性化することがわかっている。このような時期にドナー臓器のいかなる抗原が拒絶反応を惹起し標的とされるかを同定し、さらに長期の異種移植片生着をめざすことが本研究の目的である。 ハムスター臓器に対するラットの免疫応答反応を見るためにハムスター脾細胞を筋注し、抗ハムスターラット血清を得た。この血清を常法に従いピオチン化し、ハムスター脾細胞を脱核後、SDSポリアクリルアミドゲルにて電気泳動後、ウェスタンブロットを行った。ビオチン化抗血清と2次発色試薬でバンドを検出したところ、数本のバンドが見られた。それぞれのバンドのタンパク質はまだ不明であるが、200Kのものはリンパ球共通抗原(Lymphocyte Common Antigen、LCA)と思われた。現在、抗LCAモノクローナル抗体(OX-1)と競合させることによって、そのバンドがLCAであるか確認中である。 一方、前述のようにハムスター脾細胞で免疫したラットより、ナイロンカラムにてTリンパ球を粗精製したのちに、ブロッティング膜上で保温し、細胞の集積を顕微鏡にて観察した。この場合は、抗体によるウェスタンブロットほどの鋭敏な集積反応は見られなかった。感度を高めるために、リンパ球を3H-チミジンにて標識する方法を現在検討している。この場合も、200Kのあたりに放射活性の若干の増加が見られている。
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