研究課題/領域番号 |
07671386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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研究分担者 |
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 食道癌 / 食道癌株細胞 / 細胞周期関連遺伝子 / 予後因子 / CDPP感受性 / p53変異 / P16 / Cyclim D1 / p53 / p16 / Cyclin D_1 / MDM2 / 化学療法感受性 / 悪性度評価 / 細胞周期 / CDK4 / Cyclin D1 / HPV |
研究概要 |
新鮮標本におけるp53の変異は我々のPCR-SSCPによる検討では40% (26/65)であるが株細胞では75.9% (22/29)の高率にその変異が認められる。その変異のspectrumに明らかに違いが認められるので,株細胞におけるp53mutationの一部は株細胞樹立の経過でin vitroで生じた変異であると考えられる。p16でも新鮮標本での異常は46.7% (7/15)であるのに対し株細胞における異常は93.3% (28/30)と異常な高率である。その異常はhomozygous deletionが18株、point mutationが6株、hypermethylationが4株である。培養継代初期(10代以下)の株細胞においても長期継代株細胞と同様のhomozygous deletionを認めており、原腫瘍にもともと混在していたdeletionを有する腫瘍がclonal expansionの形で選択され、株細胞として樹立されたものと考えされる。悪性度評価についてCyclinD1はint-2, hst-1とともに増幅しており、11q13のampliconが悪性度指標となり、CyclinD1増幅例は有意に予後不良であったが、血行性転移との関連は認めらなかった。p53 mutation症例の予後は不良の傾向が認められたが、単独では有意差は認められず、MDM2と組み合わせて検討すると、予後不良因子と考えられた。MDM2は単独因子としても予後因子であった。Rbも単独のlossでは予後因子となりえず、CyclinD1と組み合わせると予後因子となった。CDK4の検討では72例中8例に増幅を認め増幅例において予後不良の傾向を認めたが有意差は認められなかった。以上より、細胞周期に関連した遺伝子群は一部のものは単独で食道癌の予後因子となりうるが、その他の遺伝子異常は細胞周期の異常を来す一連の反応系の異常として総合的にとらえる必要があることが判明した。一方、術前CDDP療法と組織学的効果判定からMDM2増幅,p53 mutation, HPV infectionのいずれかが認められた症例は抗癌剤に有意に抵抗性であった。
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