研究課題/領域番号 |
07671388
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅下 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (60252649)
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研究分担者 |
谷川 隆彦 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
金 俊雄 大阪大学, 医学部, 助手 (50205051)
後藤 満一 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162160)
門田 守人 大阪大学, 医学部, 教授 (00127309)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 肝虚血再潅流傷害 / oxidative stress / tert-butyl hydroperoxide / 初代培養肝細胞 / 細胞内カルシウム / 細胞質プロテアーゼ / calpain / 細胞骨格 |
研究概要 |
ラット初代培養肝細胞にtert-butyl hydroperoxide (TBHP)を負荷する系で、oxidative stressによる肝細胞傷害の機序を検討し、その抑制を試みた。TBHP負荷後約15分で細胞表面にsmall blebが形成され、30分後にはlarge blebが観察された。細胞質カルシウム濃度は、small blebの形成とほぼ同時に上昇し始め、large blebが形成される頃には約1μMに達した。LDHの遊離は、40分後から認められた。Bleb形成とLDHの遊離は、細胞外にカルシウムが存在する場合に顕著であり、EGTAでキレートすると抑制された。カルシウム存在下でも、細胞質プロテアーゼcalpainに特異的な阻害剤であるcalpeptinを添加することにより有意に抑制された。細胞膜の裏打ちをしているF-actinはbleb直下でも保たれていたが、細胞骨格蛋白のうちtalin、α-actininは、bleb発生と同時に減少した。Vinculinの減少は認めなかった。活性型calpainに対する抗体を用いたimmunoblotで、bleb形成に先だってcalpainの活性化が証明された。細胞骨格蛋白の減少は、細胞外カルシウムの除法、或いはcalpeptinの添加により抑えられた。 以上の結果より、oxidative stressによる肝細胞傷害について、カルシウムの流入→calpainの活性化→細胞骨格蛋白の分解→細胞死、というmechanismが考えられた。また、calpainの阻害による、傷害抑制の可能性が示された。現在、新しい阻害剤や内在性細胞質プロテアーゼに対するantisenseの導入など、更なるcalpain制御による細胞傷害抑制を研究中である。
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