研究課題/領域番号 |
07671391
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 俊朗 大阪大学, 医学部, 助手 (40263264)
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研究分担者 |
精山 明敏 大阪大学, 医学部, 助手 (70206605)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 敗血症 / エンドトキシン / 微小循環 / 肝障害 / 胆汁鬱滞 / エンドセリン / 一酸化窒素 |
研究概要 |
平成7年度研究成果 敗血症のモデルとしてエンドトキシンのラットへの経静脈的持続投与モデルを用い、近赤外分光装置、顕微分光装置により肝類洞微小循環を定量的に測定し、NITRIC OXIDE (NO)とエンドセリンの敗血症に果たす役割を解析し以下の知見を得た。 (1)エンドトキシンの投与で、血清中の肝逸脱酵素(AST等)やビリルビン値は上昇し、胆汁分泌は減少、胆汁鬱滞性肝障害が生じた。近赤外分光装置と顕微分光装置で肝微小循環を測定すると、肝小葉内の血流は低下し、酸素飽和度も低下、肝細胞への酸素供給が低下し、肝臓の細胞が低酸素状態に陥っていることが明らかとなった。肝小葉内での差異をみると、この微小循環障害は、特に、中心静脈域で強かった。 (2)エンドトキシンの投与に伴い、容量時間依存性にNOが産生されたが、この産生を阻害すると(1)にみられた胆汁鬱滞性肝障害と肝類洞微小循環障害は憎悪した。NOの供給源であるLアルギニンをNO産生阻害剤と共に投与し、NO産生阻害を抑制すると、NO産生阻害により生じた肝類洞微小循環障害と胆汁鬱滞性肝障害の憎悪は消失した。 (3)エンドトキシンの投与に伴い、血中エンドセリン1濃度も容量時間依存性に増加したが、この時エンドセリンAレセプターのアンタゴニスト(BQ123又はBQ485)を同時に投与すると、(1)にみられた肝類洞微小循環障害と胆汁鬱滞性肝障害は憎悪した。 以上の結果より、エンドキトシンにより肝類洞微小循環障害とこれに伴う胆汁鬱滞性肝障害が生じていることが明らかになるとともに、エンドトキシンにより誘導されるNOやエンドセリン1は、肝類洞微小循環に対しては保護的に働いていることが明らかとなった。
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