研究課題/領域番号 |
07671397
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
嶌原 康行 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30196498)
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研究分担者 |
山本 成尚 愛媛大学, 医学部, 助手 (30253298)
小林 展章 愛媛大学, 医学部, 教授 (60135564)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | NO(一酸化窒素) / 敗血症 / 多臓器不全 / 肝エネルギー代謝 |
研究概要 |
【1】血中NO濃度の測定法:ラットのエンドトキシン血症で血中NO濃度をESRを用いニトロシルヘム(NO-Hb)として測定した。10mg/Kgを静脈投与した場合、4-6時間で約40μM、12時間で65μMと安定して検出された。【2】NO吸入による循環動態と血中NO濃度の測定:吸入NO濃度の決定のため正常ラットを用いて、10、50、100、300、1000、3000、10000ppmの濃度で、1時間の吸入実験を行った。300ppm以上では血圧低下を来たし、3000ppmでは45分以内に死亡した。100ppm以下では血圧は安定していた。従って実用可能な濃度を100ppm以下と設定した。100ppmにおけるNO-Hb濃度は200±20μMとエンドトキシン10mg/Kg投与時の4-5倍の値を示した。【3】NO吸入による肝エネルギー代謝の変化:正常ラットの肝エネルギーチャージ(EC)と分離肝ミトコンドリアの酸化的リン酸化能(PR)を、NOの吸入濃度50、100、300、1000ppmでそれぞれ60分後に測定した。50および100ppmではECは対照群と差はなかったが、300以上では有意に低下した。PRは50ppmでは変化がなかったが100ppmでは対照の約70%の増加を認め、NOの吸入によって肝ミトコンドリアの機能亢進が見られることが示唆された。300ppmでは対照群と差はなく、1000ppm以上ではかえって低下した。したがってNO至適吸入濃度を100ppmと判定した。【4】敗血症ラットへのNO吸入療法の応用:盲腸結紮穿刺による敗血症ラットでは肝ミトコンドリアは6-12時間で60%のPRの増加を認め以後低下し24時間で死亡する。この間ECは12時間まで緩やかな低下を認め、以後急速に低下し続ける。12時間でNO吸入療法を100ppm1時間で行ったところ肝ミトコンドリアの機能亢進は15時間まで続いたが、以後は対照群と同様に低下し24時間では死亡して生存時間の延長は認められなかった。ECの変化では、15時間までは緩やかな低下であり、以後は急速に低下した。【結論】敗血症ラットでNOの吸入は肝ミトコンドリアの機能亢進を延長させ、肝エネルギー代謝の劣化を遅らせることが示唆された。条件設定の工夫により生存率の改善も可能であると考えられた。
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