研究課題/領域番号 |
07671398
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山本 成尚 愛媛大学, 医学部, 助手 (30253298)
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研究分担者 |
嶌原 康行 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30196498)
小林 展章 愛媛大学, 医学部, 教授 (60135564)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 肝機能評価法 / 血中炎症性サイトカイン / 可溶性接着分子 |
研究概要 |
肝細胞癌に対する肝切除術においては、肝硬変や慢性肝炎を合併している症例が多いため、術前の肝機能的予備力及び術中侵襲の程度が術後の臓器不全の発症に密接に関連している。この研究においては、血中炎症性サイトカイン及び可溶性接着分子を新たな肝機能評価法として導入した。1993年8月から1995年1月の間に、当科にて肝切除を施行された21例を対象とした。内、13例は肝障害を合併しており(A群:肝硬変11例、慢性肝炎1例、薬剤性肝障害1例)、他の8例は肝障害の合併がみられなかった(B群)。また、肝障害を合併しない他の腹部手術8症例を同時に検討した。これらの患者において、術前、術中毎2時間、術後7日目まで、血中IL-6、IL-8、TNF-α、IL-1β、ICAM-1、E-selectinをELISA法にて測定した。術中術後においては、A群の血中IL-6、IL-8、TNF-α値は、他の2群に比し有意に高く、これらの術中最大値は、術後の血中ピリルビン値と有意に相関し、また、術後の肝不全をはじめとする臓器不全の発症と密接に関連した。IL-1βはすべての患者において検出されなかった。2種の接着分子に関しても、その術前値がA群において有意に高く、術前KICG値と有意な相関が認められ、サイトカインと同様に術後の臓器不全の発症と密接に関連していた。これらの結果より、肝障害合併肝切除患者においては、サイトカイン及び接着分子といった炎症性mediatorが過剰に誘導され、術後の臓器不全の発症に関連している事、及びこれらの測定が新たな肝機能評価法として非常に有用であることが判明した。。現在、分離mononuclear cells及び肝組織においてサイトカインのmRNAを測定しているが、血中濃度が増加する以前からmRNAの発現が認められ、この発現を定量化することによって、更に詳細な検討を加える予定である。
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