研究課題/領域番号 |
07671467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00243220)
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研究分担者 |
高橋 俊樹 大阪大学, 医学部, 助手 (50263257)
正井 崇史 大阪大学, 医学部, 助手 (30273650)
門場 啓司 大阪大学, 医学部, 講師 (00185886)
白倉 良太 大阪大学, 医学部, 教授 (00116047)
谷口 和博 大阪大学, 医学部, 助手 (90171842)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 心筋保護 / 虚血再潅流障害 / 非脱分極性心筋保護液 / AP4A / Nicorandil / HVJ-liposome / HSP 70 / HSP70 / 虚血再潅流 |
研究概要 |
虚血再潅流障害時に起こるカルシウム過負荷は収縮性低下、異常自動能、さらには細胞死の主な原因と考えられているが、現在広く開心術に用いられている高カリウム脱分極性心筋保護液は理論的に静止膜電位の脱分極がカルシウム流入を促進するという観点からは不利である。本研究においては、非脱分極性心筋保護液の開発を目標としてin vitro、in vivoそして臨床的な検討を行った。【in vitro study】心筋の虚血再潅流障害のメカニズムを細胞電気生理学的に解明するため単離心筋細胞でのパッチクランプ法を用いラット単離心筋細胞膜電流の測定系を確立した。この系を用いてラット心筋細胞におけるNa/K pump currentのNafamostat masilate(Na/K pump阻害剤)による抑制効果を確認し、本測定系の有効性を確認した。【in vivo study】AP4AはPy2 receptorを介してIKATP開口作用を有するが、AP4A投与の虚血再潅流障害抑制効果を、摘出ラット心Lang endorff潅流を用いて検討した。AP4A投与により虚血再潅流後の心機能は対照群に比し有意に高値を示し、それはischemic preconditionを施行した群と同等の効果で、AP4Aが非脱分極性心筋保護液の一つのcomponentとなりうることが示された。また、電気生理学的に虚血耐性を向上させる一つの可能性として心筋細胞へのNa/Ca exchanger発現遺伝子導入の可能性を模索するため、HVJ-liposome法を用いた心筋細胞への遺伝子導入法の確立と、その有効性を確認するためHSP 70導入による心筋虚血耐性の向上を確認した。【clinical study】狭心症治療薬として使用されているNicorandilはIKATP開口作用を有し、その心筋保護液への添加は脱分極性心筋保護液の惹起するカルシウム過負荷を軽減しうる。そこで現在、冠動脈バイパス手術症例において、Nicorandilを大動脈遮断前に人工心肺へ投与し、その心筋保護効果を検討中である。
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