研究課題/領域番号 |
07671512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
中洲 庸子 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10135478)
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研究分担者 |
森川 茂広 分子神経生物学研究センター, 助教授 (60220042)
中洲 敏 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00135477)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 核磁気共鳴 / スペクトロスコピー / てんかん / 脳血管関門 / ビククリン / 拡散強調画像 / 興奮性アミノ酸 / 脳浮腫 / ラット / Chemical shift imaging / Diffusion-weighted imaging / Epilepsy / Magnetic resonance imaging / Magnetic resonance spectroscopy / Rat / Status epilepticus |
研究概要 |
ラット実験てんかんモデルを用いて、脳組織の核磁気共鳴画像(MRI)・スペクトロスコピー(MRS)・ケミカルシフトイメージ(CSI)を非侵襲的に測定している。1995から1996年は、興奮性アミノ酸作動薬のカイニン酸、およびGABA阻害作用を持つビククリンを投与してけいれん重積状態を作成した動物において、以下の実験を行なった。 1.MRI:カイニン酸投与群において、拡散強調1H-MRIを用いることによって、辺縁系に細胞内浮腫が出現すること、その辺縁系のなかにも細胞内浮腫がより強い領域が存在することを明らかにした。ここまでの成果は、スカンジナヴィア脳神経外科学会(1995年6月、レイキャビク)で報告し、American Journal of Neuroradiology誌(1995年6月号)上に発表した。また、拡散係数を定量化した画像(ADC image)の描出もおこない、水の拡散状態の局所的な変化を脳割面上で明らかにした。結果の一部は、The Hippocampus:functionins and clinical relevance(Kato N,ed.1996)上に発表した。 2.MRS,CSI:1H-MRSを用いて、生体で脳内のN-Acetyl-Aspartate(NAA)と乳酸を中心に代謝指標の経時的変化を測定した。さらに、脳組織の乳酸、NAAなどの化学シフト像を作成し、けいれん発作後の経時的な代謝の変化を非侵襲的に追跡した。ここまでの経過は、第18回ペンフィールド記念懇話会(1995年10月名古屋)において報告した。また、同じけいれん重積状態でも、カイニン酸とビククリンとでは、これらの代謝指標に大きな差異があることを見い出た。結果は、日本てんかん学会(1997年9月)にて発表し、Epilepsia(in press)にて報告する予定である。 われわれのグループでは、この他さまざまなラットのてんかん/けいれんモデルの脳病態を、拡散強調画像、volumetryなどのMR法を駆使して観察し、組織学的所見との対比を検討して、研究を総合的に発展させている。これらMRを用いた画像は、非侵襲的に繰り返し観察できることから、てんかんやけいれん重積後の脳の病態を描出し、経時的にそれを観察していくことによって新しい基礎的な所見を発展させうる。さらには、臨床的にてんかん焦点の同定や、抗てんかん薬の薬効の評価にも有用であろう。
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