研究概要 |
1 ヒト骨髄中骨原細胞の分化,増殖機能および骨形成能について検討した.ヒト腸骨骨髄より穿刺・採取した骨髄細胞をin viroで播種・培養した。この骨髄細胞は培養と共にコロニー(CFU-F)を形成する。そのうちアルカリフォスファターゼ活性、石灰化などの骨芽細胞の形質を発現するコロニーを認めることから、このアルカリフォスファターゼ陽性CFU-F細胞は骨原細胞と考えられた。各年代のヒトより骨髄細胞を採取・培養し、アルカリフォスファターゼ陽性CFU-F細胞数を検討した。骨原細胞(アルカリフォスファターゼ陽性CFU-F)の数は18歳までは非常に多数存在するが,18歳以降,急速にその数は減少し、以後加齢と共に緩やかに減少することが明らかとなった.このことは骨格の成長と関連するものと考えられた。 2 骨原細胞の骨形成能を高めるための各因子:BMP-2,TGF-β,bFGFの効果を検討した。BMP-2はヒト腸骨より分離・培養したCFU-F細胞のアルカリフォスファターゼ活性を高めたが、一方、増殖には影響を示さなかった。他の因子の効果はBMP-2に比して軽度であった。このことより、BMP-2は有力な分化促進因子として応用できうる可能性があると考えられた。
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