研究課題/領域番号 |
07671586
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 克時 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90170969)
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研究分担者 |
井戸 一博 京都大学, 医学研究科, 助手 (70252442)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルパイン / コラーゲン誘発関節炎 / マウス / マトリックス分解酵素 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)や変形性関節症(OA)の関節では、滑膜から関節液中に中性システインプロテアーゼであるカルパインが分泌されており、しかもカルパインは強力な軟骨プロテオグリカン分解活性をもつ。従来から知られているマトリックス分解酵素以外に、カルパインによる関節軟骨破壊機構が存在すると考えられる。コラーゲン誘発マウス関節炎(CIA)はヒトの関節炎のモデルとしてよく知られており、ヒトの関節炎と同様、stromelysinやcollagenaseなどのマトリックス分解酵素が関節軟骨破壊に関与していることがすでに知られている。我々は、予備実験でこの関節炎モデルにカルパインが発現していることを免疫組織学的に証明した。今回の研究は、CIAにおけるカルパインの発現を、関節炎の病期や組織による発現の違い、カルパインの発現と、滑膜炎や関節軟骨破壊との相関を多数のCIAマウスをもちいて系統的に研究する目的で行った。またCIAマウス関節液中のカルパインを生化学的に同定した。m-カルパイン抗体を用いた免疫組織染色では関節炎急性期にカルパインの発現と関節炎や軟骨破壊の組織学的スコアとの間に明らかな正の相関が認められた。その後、炎症の消退と共にカルパインは減少した。関節炎におけるカルパインは関節内の炎症細胞(主として多核白血球、滑膜表層細胞、滑膜下線維芽細胞)でもっともよく染色されたが、このほかに軟骨や滑膜の表面、関節軟骨基質、軟骨細胞窩では細胞外にカルパインが存在することが観察された。関節炎最盛期の膝関節洗浄液からはイムノブロットでカルパインが検出された。以上の実験結果はm-カルパインがCIAの急性期でマトリックス分解酵素として機能し、軟骨を破壊したり他のマトリックス分解酵素を活性化させることを示唆している。
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