研究概要 |
四股の虚血-再潅流障害におけるno reflow phenomenonの発生機序について研究した。 ウサギを用いた四股の虚血-再潅流障害実験モデルを作成した。ネンブタール麻酔後、臥位に固定し、下腿にレーザードップラー血流計、および水素クリアランス血流計のプローベを装着して組織血流量を測定した。大腿基部を駆血帯で8時間虚血し、それに引き続いて180分間の再潅流を行った。虚血前、虚血中、再潅流直後、及び再潅流後30分,60分,180分に下腿皮膚血流を測定した。同時に下腿皮膚組織を採取しNick End Labeling法を用いてapotosisの程度を測定した。 再潅流直後、皮膚の血流は減少したままであったが、60分後には血行の回復傾向が認められ、180分後には安定化した。しかし、虚血善の血流の約二分の一程度であった。 Apoptotic cellsは虚血後、組織学的に壊死した皮膚の辺縁に観察され、壊死組織から離れた部分からは殆ど認められなかった。この研究から、皮膚の虚血再潅流障害では細胞の壊死だけでなく、Apotosisも関与していることが明らかとなった。
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