研究課題/領域番号 |
07671645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
稲葉 英夫 秋田大学, 医学部, 教授 (60159952)
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研究分担者 |
黒澤 伸 秋田大学, 医学部, 助手 (60272043)
円山 啓司 秋田大学, 医学部, 助教授 (80125707)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 虚血再潅流 / 吸入麻酔剤 / ストレス蛋白 / 摘出潅流肝 / 大食細胞 / 吸入麻酔有り / 摘出灌流肝 |
研究概要 |
ラット摘出灌流肝を用い、虚血再灌流障害に対する各種吸入麻酔剤の効果を検討した。ハロセン、イソフルラン、セボフルランのすべてが虚血再灌流障害を抑制したが、イソフランが最も際立った効果を示した。また、イソフルランは再灌流時のみに投与しても抑制効果があった。Cytochrome C酸化法を用い、低酸素・再酸素化過程における肝内の細胞外oxident産生を定量した。イソフルランは、再酸素化時の細胞外オキシダント産生を有意に抑制し、再酸素化後の逸脱酵素の流出を抑制した。また、再酸素化時の細胞外oxidant産生は、Kupffer cell(大食細胞)の不活性化をもたらすgadolinium chlorideの処置により抑制された。したがって、吸入麻酔剤による肝虚血再灌流障害の抑制には、吸入麻酔剤のKupffer cellに対する抑制作用が関与していると考えられる。 各種吸入麻酔剤は、虚血・再灌流時の細胞内カルシウム増加による肝血流・代謝変動を再現しうるCa-ionophoreによる血流・代謝変化を軽減した。したがって、吸入麻酔剤は、虚血・再灌流障害に関与すると考えられる細胞内カルシウム増加による血流・代謝変化に対しても抑制的に作用すると考えられる。 摘出灌流肝に対し、各種の程度の虚血・低酸素を負荷し、代表的ストレス蛋白であるHsp70mRNAの発現をNothern blot analysisにより半定量化した。Hsp70の発現は、虚血・低酸素の程度と比例していた。吸入麻酔剤は、再灌流時のオキシダントストレスを和らげることが示されたので、吸入麻酔剤のストレス蛋白発現機構に対する影響は、ストレスの程度を一定にできる実験系で検討する必要がある。
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