研究課題/領域番号 |
07671652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
尾藤 博道 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50181227)
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研究分担者 |
森脇 五六 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50293642)
加藤 孝澄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80204478)
河合 理恵 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | キセノン / 亜酸化窒素 / 低流量麻酔 / MAC / MACawake / 外来手術 / 薬物動態 |
研究概要 |
キセノン流量計とキセノン濃度計を麻酔器に組み込み、キセノン麻酔専用の麻酔システムを完成させた。キセノンの必要量は麻酔開始直後に比較的多く、15分間に必要とされるキセノンは5〜10lであった。しかし、30分を経過すると50ml/分以下に減少した。麻酔開始直後のキセノンの必要量が多かったのは麻酔回路内への初期の補充と機能的残気量に補足されるためであり、体内への摂取量は少ないと考えられた。 キセノン麻酔の導入および覚醒はキセノンの肺胞濃度の上昇および低下が極めて速やかであることから、患者の就眠時間および覚醒時間も極めて速かった。呼吸系に及ぼす影響は呼吸抑制が少なく、気道刺激性もなかった。循環系に及ぼす影響は心拍数が減少するが血圧はほとんど変動しなかった。麻酔後の血液生化学所見は麻酔に起因すると思われる異常を認めず、臓器毒性はないと考えられた。 小児の外来手術を対象とし、従来の麻酔方法(亜酸化窒素とセボフルラン)とキセノン麻酔を比較検討した。2つの麻酔方法における覚醒時間、嘔気嘔吐の有無、飲水までの時間、歩行できるまでの時間を測定した。覚醒時間はキセノン麻酔が有意に短いが、その他は両群に有為差がなかった。キセノン麻酔の覚醒時間は速いといっても数分の差であり、このことだけで麻酔の有益性を主張できないと思われる。これらの結果からキセノンの小児外来麻酔への有用性は少ないと考えられた。 キセノンの肺胞最小濃度(MAC)は71%であり、MACawakeは32%であった。従って全身麻酔として就眠量(濃度)程度の麻酔深度が要求される場合、40%以上のキセノン濃度でなければ術中覚醒を招く可能性がある。キセノンのMACとMACawakeの比は0.46で、亜酸化窒素より強い鎮静作用と同程度の鎮痛作用を持っている。
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