研究課題/領域番号 |
07671658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真下 節 大阪大学, 医学部, 助教授 (60157188)
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研究分担者 |
柳田 敏雄 大阪大学, 医学部, 教授 (30089883)
西村 信哉 大阪大学, 医学部・付属病院, 助手 (00263286)
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アクトミオシン / アクチン / 滑走速度 / 局所麻酔薬 / リドカイン / テトラカイン / ミオシンATPase |
研究概要 |
まず、筋原繊維を用いた実験において、局所麻酔薬リドカインおよびテトラカインが可逆的および濃度依存的に張力発生を制御することを示した。そして、アクトミオシン系モーター蛋白質の運動再構成モデルを用いた単一アクチンフィラメイトの滑走速度をガラス基盤上で蛍光顕微鏡下に観察し、滑走速度に及ぼす局所麻酔薬の作用をpH6.5,7.0,7.8および8.5において測定した。リドカインおよびテトラカインも共に単一アクチンフィラメントの滑走速度を濃度依存的に抑制した。pH7.0におけるED_<50>値はリドカインおよびテトラカインでそれぞれ18.6mMおよび2.8mMであった。pHを変えて滑走速度に及ぼす影響を調べた解析結果から、局所麻酔薬の荷電型と非荷電型では非荷電型が抑制作用を示すことが明らかになった。これはさらに、永久荷電型リドカイン誘導体QX314がアクトミオシンの滑走速度に全く影響を与えなかったことにより確かめられた。また、非荷電型局所麻酔薬の滑走速度抑制作用は酸性条件下で増大することが明らかになった。さらに、ミオシンATPase(actin-activated ATPase)活性に対する局所麻酔薬リドカインおよびテトラカインの影響をマラカイトグリーン無機リン酸定量法の改良法を用いて行った。ATP加水分解反応に対しては、運動機能に対する制御作用に比べて、局所麻酔薬は著明な効果を示さなかった。以上の結果から、局所麻酔薬はアクトミオシン蛋白分子間の静電相互作用にほとんど影響せず、疎水性部位に作用して化学-力学エネルギー変換過程の脱共役を惹起して運動機能を抑制することが示唆された。
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