研究課題/領域番号 |
07671669
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
須加原 一博 熊本大学, 医学部, 助教授 (20171126)
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研究分担者 |
田代 雅文 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (60264305)
生田 義浩 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (90264308)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 急性呼吸不全 / 肺胞上皮細胞 / 肺表面活性物質 / 創傷治癒 / サイトカイン / 遺伝子発現 / in situハイブリダイゼーション |
研究概要 |
1.肺胞上皮細胞増殖因子による肺障害修復過程の促進-これまでの申請者らの研究で、FGFファミリー特にケラチノサイト増殖因子(KGF)が肺胞II型上皮細胞を特異的に増殖させ、かつ肺表面活性物質アポ蛋白遺伝子SP-A、SP-B mRNAsの発現を著明に増加させることが、培養細胞を用いた研究で証明されたことから、このKGFを用いてブレオマイシン肺線維症を軽減できないか検索した。臨床的には、体重減少が軽減、光顕的にも肺障害の抑制効果が観察され、アポ蛋白SP-A、SP-BおよびSP-C mRNAs発現を、in situ hybridization法により検索すると、肺線維化の強いところではこれらの発現が抑制されており、増殖因子KGFの前投与により臨床的、光顕的およびアポ蛋白質遺伝子発現からも障害の改善が観察された。I型およびIII型コラーゲンについて免疫組織学的に検索すると、ブレオマイシン投与によりコラーゲンが著明に染色され、in situ hybridization法によるそのmRNAの検索でも、肺障害部位(免疫染色部位)に一致して銀粒子の増加が観察された。これらの変化は、KGF前投与により軽減されることが証明された。しかし、ノーザン・ブロット法で肺表面活性物質アポ蛋白質およびコラーゲン遺伝子発現を検索すると、ブレオマイシン投与によるSP-A、SP-BやSP-C mRNAの発現抑制はみられなかったが、コラーゲン遺伝子の増加は証明された。このin situ hybridization法とノーザン・ブロット法によるmRNA発現の差異については、肺障害による上皮細胞の減少が関与していると考えられるが、今後さらに探究する計画である。現在、KGFによる肺障害抑制の機序解明のため、KGFによる転写因子(CEBP/α、β、γ、)や肝細胞増殖因子(HGF)などの遺伝子発現動態の検索を進めると共に、KGF後投与でもほかの人工サーファクタントやプロテアーゼ阻害薬との併用効果についても検索予定。2.エンドトキシン肺障害ラットについて、これまで光顕的、電顕的、免疫組織化学的およびin situ hybridization法による検索で肺胞上皮細胞の増殖とアポ蛋白遺伝子SP-A、SP-BおよびSP-C mRNAsの過剰発現を証明し、現在一酸化炭素(NO)遺伝子の発現動態の関与を検索している。3.肺胞上皮細胞のコラーゲン・ゲル内培養による肺胞構造の再構築および肺胞上皮細胞増殖因子によるその促進について検索を進めているが、肺胞様構造の観察およびその細胞に抗PCNA抗体による染色を証明している。現在、in situ hybridization法による遺伝子発現動態を検索中。
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