研究課題/領域番号 |
07671779
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山地 建二 大阪大学, 医学部, 教授 (20028658)
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研究分担者 |
和田 芳直 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 代謝部門, 部長 (00250340)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ループスアンチコアグラント / アポトーシス / アネキシン / 内皮細胞 / 血液凝固 / 血栓症 / 全身性エリテマトーデス / 流産 |
研究概要 |
これまでの研究でループスアンチコアグラント(以下LA)をもつ患者の血漿にはヒト臍帯静脈内皮細胞にアポトーシスを誘導する活性とアネキシンVへの結合活性のあることを明らかにした。今回の研究では患者血漿からアネキシンV(以下ANV)に結合性のあるIgG分画と結合性のない分画を分け、それぞれのアポトーシス活性および試験管内凝固時間阻害活性を調べた。 流死産歴のある10名の患者のIgGよりANVアフィニティーカラムによりANV結合画分(以下B-IgG)と非結合画分(以下U-IgG)を分画した。患者IgGにはB-IgGは2-6%存在したが、正常対照にはB-IgGは0.01%以下しか存在しなかった。 10名の患者いずれのB-IgGにもアポトーシス誘導活性および凝固阻害活性があり、それらの活性は濃度依存的であった。一方、U-IgGにはこれらの活性はなかった。さらに、B-IgGのアポトーシス誘導活性はANVによって阻害され、その半阻害濃度は添加したB-IgGの約6倍モル量であった。一方、リン脂質の結合性に関してはB-IgGの方がU-IgGよりも結合活性が強いものの画然たる差はなかった。またカルジオリピンへの結合活性はβ2グリコプロテインIによって増強されなかった。 以上のことから、LAによる生体内凝固亢進による血栓症はLAがANVを介して血管内皮細胞にアポトーシスを誘導することにより起こること、LAの試験管内凝固阻害活性はANV結合活性と強く関連していること、さらに生体内でのアポトーシスにおいて内皮細胞から放出されるであろうANVが反対にLAのアポトーシス活性を中和する働きをする可能性のあることを結論として得た。
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