研究課題/領域番号 |
07671784
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
安田 恵子 奈良女子大学, 理学部, 助手 (80263424)
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研究分担者 |
神崎 秀陽 関西医科大学, 医学部, 教授 (80135566)
高橋 壮二 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80031649)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 卵胞形成 / サイトカイン / 免疫系細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、卵巣内局所調節因子としてサイトカインを想定し、ゴナドトロピンの作用を受けにくいと考えられる初期の卵胞形成過程におけるサイトカインの作用、およびサイトカインのおもな産生源と考えられる免疫系細胞と細胞構成細胞との関係、卵巣構成細胞相互の関係を形態学的に明らかにすることであった。 胎児期から性成熟にいたるまでのマウスの卵巣を、パラフィンの連続切片、HE染色によって光学顕微鏡を用いて観察すると、原始卵胞の形成は早いもので胎児16.5日から観察され、出生時には殆どの卵母細胞が原始卵胞になっていた。生後1日で一次卵胞となり、莢膜細胞が出現している。生後10日で前胞状卵胞、生後14日で胞状卵胞、生後21日でグラーフ卵胞が形成され、一方では閉鎖卵胞も観察された。黄体は生後21日ごろから観察され、ゴナドトロピンの周期的な分泌が始まり排卵が起こっていることが推察された。各時期で卵巣内での各発達段階の卵胞の出現頻度から第一回目の卵胞の発達の波は出生直後から、第二回めの発達の波は生後10日頃からと思われた。成熟個体と考えられる生後8週以後の卵巣では各発達段階の卵胞が観察された。赤血球を含む免疫系細胞は生後1日頃から細胞の周囲に観察され始め、卵胞発育とのなんらかの関与が暗示された。サイトカインの卵胞形成に対する作用、免疫細胞と卵胞形成細胞との関与についてはいまだ検討を続けている。当初の目的は十分には果たせなかったが、初期卵胞形成過程について将来形態学的に検討していく基礎が築かれたことは大きな収穫であったと考えられる。また、研究代表者がこれまでin vitroで検討してきた実験系とあわせるとこれからの大きな飛躍が期待される。さらに神崎らによって、子宮内膜・胎盤においてサイトカインの作用に対して新しい知見が得られた。
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