研究課題/領域番号 |
07671798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
嘉村 敏治 九州大学, 医学部, 助教授 (30152870)
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研究分担者 |
上平 謙二 九州大学, 医学部, 助手 (60274453)
加来 恒寿 (加来 恒壽) 九州大学, 医学部, 講師 (60185717)
小林 裕明 九州大学, 医学部, 助手 (70260700)
斉藤 俊章 (斎藤 俊章) 九州大学, 医学部, 講師 (80162212)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 子宮癌 / リンパ節転移 / 予後因子 / リンパ節細胞 / 増殖抑制効果 / フィトヘモアグルチニン / Tumor necrosis factor α / 子宮体癌 / 子宮頚癌 / 脈管侵入 / 血行性転移 / リンパ行性転移 |
研究概要 |
子宮癌の進展様式として重要なものにリンパ行性転移がある。子宮頚癌症例の解析では骨盤リンパ節転移を有する症例はリンパ節転移の無い症例よりも有意に生存曲線が悪かった。さらに2カ所以上のリンパ節転移を有する症例は5年生存率が60%と低いのに対し、1カ所の症例では88%と有意に高く、子宮頚癌ではリンパ節転移が予後を規定する因子として最も強いものであることが明らかとなった。子宮癌のもう一つの代表である子宮体癌の場合も傍大動脈リンパ節の転移を有する症例では5年生存率が38%と低く、リンパ節転移が無い症例に比較して有意に予後が悪いことがわかった(第35回子宮癌研究会にて発表 平成7年12月5日)。次にこのように予後を左右するリンパ節に存在するリンパ球が癌細胞に対して作用するか否かを解析した。そのために骨盤リンパ節郭清を行った子宮癌患者より摘出したリンパ節よりリンパ節細胞を採取した。このリンパ節細胞の培養子宮体癌細胞RL95-2に対する増殖抑制効果をhuman tumor clonogenic assayにて評価した。二重寒天培地の下層に蒔かれたリンパ節細胞は、無刺激では上層に蒔いたRL95-2に対して増殖抑制効果を示さなかったが、phytohemagglutinin(PHA)で刺激すると著明な増殖抑制効果を発揮した。またPHA刺激リンパ節細胞はtumor necrosis factor α(TNFα)やinterferonを多量分泌することがわかった。RL95-2はrecombinat TNFαに感受性が高いことから、増殖抑制効果は一部TNFαによるものと考えられた。しかしながら抗TNFα抗体によりこの増殖抑制効果は抑制されなかったので、増殖抑制効果は未知のサイトカインの介在によってもたらされる可能性が考えられた(Cancer Letters 104:55-61,1996に誌上発表)。Phytohemagglutinin(PHA)以外でリンパ節細胞は刺激するサイトカインを生体に投与するとにより転移を抑制することが可能であることが示唆された。
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