研究課題/領域番号 |
07671824
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山本 樹生 帝京大学, 医学部, 助教授 (40167721)
|
研究分担者 |
笹森 幸文 帝京大学, 医学部, 助手 (50276721)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 抗リン脂質抗体 / 子宮内胎児発育遅延 / 胎児仮死 / 妊娠 / エンドセリン / サイトカイン |
研究概要 |
1.妊娠中毒症例を対象として抗リン脂質抗体(ACA)の産生とこれらの抗体が胎盤へ結合するかを、絨毛組織を用いて検討した。またACA出現例では胎児発育遅延(IUGA)が高頻度に出現することを見い出した。2.β2-GPIを用いたACAの測定系にて胎盤機能不全、IUGRで陽性例を確認できた。3.β2-GPI依存性ACAの作用機序を検討するためβ2-GPI依存性ACAの血管内皮細胞に対する作用を検討した。血管内皮細胞PGF1α産生では低下傾向にあった。Endothelin 1(ET-1)は強力な血管収縮物質であるが、陽性血清は産生を増加することが判明した。β2-GPI依存性ACA陽性血清よりIGg分画を抽出し、血管内皮細胞におけるET-1産生を検討し、血清によるET-1産生増加がIgG抗体そのもののであることが判明した。血管内皮細胞より産生されるサイトカインに対するβ2-GPI依存性ACAの影響を検討した。IL1α、IL6は陽性血清添加により増加しなかった。IL8は陽性血清添加により増加傾向にあった。4.β2-GPIそのものの血管内皮細胞におけるPGF1α、ET-1産生を検討したが、β2-GPIはPGF1α、ET-1の産生を抑制することが判明した。β2-GPIそのものの血管内皮細胞におけるサイトカイン産生に対する影響を検討した。IL1は増加傾向、IL6IL8には変化を与えなかった。β2-GPI依存性ACAのET-1産生増加のメカニズムとして、β2-GPIによるET-1の産生抑制作用を阻害する可能性が示唆された。 以上のことより、ACAは胎盤絨毛、血管内皮に結合し、IUGRの原因となる。ACAのIUGRの発症機序として血管内皮細胞におけるET-1産生を増加させ、血管の収縮を起こし血流障害を生ずる可能性が推察された。
|