研究課題/領域番号 |
07671829
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
田中 均 (1996) 日本大学, 医学部, 助手 (10256860)
斉藤 綾子 (1995) 日本大学, 医学部, 助手 (90246885)
|
研究分担者 |
坂元 秀樹 日本大学, 医学部, 助教授 (80158922)
佐藤 和雄 日本大学, 医学部, 教授 (80010180)
高見 雅司 日本大学, 医学部, 助手 (80256859)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 卵巣癌 / GnRHa / 増殖 / 浸潤 / テロメレ-ゼ / 補助療法 / Ovarian cancer / gonadotropir releasing horncove / ovarian cancer / gonadotropin releasing hormone |
研究概要 |
本研究は上皮性卵巣癌における補助療法としてのGonadotropin releasing hormone agonist(GnRHa)による内分泌療法の有効性を細胞増殖や浸潤・転移への影響の点から検討した。 GnRH受容体を発現している卵巣癌腺癌由来細胞株では、GnRHaがその増殖を抑制した。また当科にて樹立した化学療法抵抗性のclear cell carcinoma由来細胞株は、GnRH受容体を発現しており、GnRHaは単独でもその増殖を抑制し、さらに化学療法剤Cis-platinumの抗腫瘍効果をも増強した。以上よりGnRHaは上皮性卵巣癌の細胞増殖をその受容体を介して抑制し、化学療法抵抗性の改善に関与する可能性が示唆された。次に我々は近年癌の発生・増殖に関与することが報告されているtelomerase活性へのGnRHaの影響について検討した。GnRH受容体を発現している卵巣癌株では、telomerase活性が検出され、その活性はGnRHa添加により抑制された。telomere長もGnRHaにより短縮した。また長期間のGnRHa添加によりM_1 senescenceが誘導された。GnRHaのこれらの作用は可逆性であり、またGnRHa受容体陰性の細胞株では認められず、GnRHaによるtelomerase活性の抑制とM_1 senescenceの誘導はGnRHa受容体を介することが示唆された。一方、ヒト上皮性卵巣癌20症例の原発巣、転移巣の検討では、follicule stimulating hormone(FSH)受容体は転移巣において高率に発現しており、FSH受容体の獲得とFSHが転移に関与することが示唆された。またin vitro Matrigel invasion assayでの卵巣癌株の浸潤能はFSHにより促進され、GnRHaで抑制された。以上より、GnRHaは上皮性卵巣癌の増殖や浸潤・転移を直接的、間接的に抑制することが示唆され、化学療法の補助療法として、あるいはsalvage療法として長期間使用することが有効である可能性が示された。現在までに、3例の上皮性卵巣癌進行期症例(IIIc期:2例,IV期:1例)に患者のinformed consentを得てGnRHa(Buserelin)を化学療法の補助療法として用いており、12-26ケ月間NCを維持している。
|