研究課題/領域番号 |
07671833
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 正利 (鈴木 政利) 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90093426)
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研究分担者 |
正橋 鉄夫 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60159142)
浅井 光興 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (50151014)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ヒト胎盤 / 絨毛膜盤血管 / 一酸化窒素 / エンドセリン / セロトニン / エタノール / エストロゲン / L-NAME / ニトロプルシッド / ベラパミル / イオンチャンネル / カフェイン / EDHF / U-46619 / L-Arginine |
研究概要 |
本研究の結果、ヒト胎盤血管における収縮・拡張因子の検討とともに、各々の相互作用やその作用機序についても明らかにすることができた。特にヒト胎盤血管において特徴的なことは、通常の体循環の血管と異なり、神経因子による調節をうけていないことであり、例えば通常は血管収縮因子であるphenylephrineによる収縮を認めなかった。さらに、通常の高血圧ではあまり重要な意味を持たないserotoninが、一酸化窒素(NO)の合成阻害などの条件が重なると強力な血管収縮物質であるendothelin-1(ET-1)とほぼ同濃度でも収縮を認めた。妊婦ではserotoninの血中濃度はET-1よりはるかに高濃度であり、妊婦や胎盤循環での本物質の重要性が示された。また、ethanolが胎児側胎盤循環を障害することも明らかになった。 しかし、これまでの検討では不十分であり、本研究結果からさらに検討が必要なことは、(1)ET-1のsynergic effectを胎盤灌流法でも確認すること、(2)胎盤循環に影響を及ぼさない濃度のL-NAMEが、胎盤灌流法においてもserotoninの収縮力を増強するか、(3)estrogenの作用機序を血管リング標本の実験でも検討すること、(4)ethanolによる収縮に他の因子がどのように関連しているかを明らかにすること、などをさらに検討していかなければならない。 また、本研究の最終目標であった“妊娠中毒症などの子宮内胎児発育遅延の原因を究明し、その治療法をあきらかにすること。"にはまだほど遠い結果である。今後は、妊娠中毒症患者の胎盤を使用した検討や、各因子の妊婦・臍帯血中濃度などをさらに検討し、胎盤循環障害の原因を明らかにするとともに、その治療法の検討を行っていく予定である。
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