研究課題/領域番号 |
07671876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山根 英雄 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (60145787)
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研究分担者 |
久保 武志 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60271194)
井口 広義 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70271195)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 内耳 / フリーラジカル / アミノ配糖体 / NO / 蝸牛血流 / NK細胞 / BRM |
研究概要 |
内耳の恒常性維持や内耳病態にフリーラジカルが関与するか否かを検討し、下記の結果を得た。 ♯1.アミノ配糖体内耳中毒におけるフリーラジカルの関与 アミノ配糖体による内耳薬物中毒にフリーラジカルが関与する可能性を細胞組織学にて証明した。これらはアミノ配糖体の用量依存性であり、発生したフリーラジカルは内耳局所でのスカベンジャーにて消去されている可能性が示唆された。 ♯2.内耳蝸牛血流調節におけるフリーラジカルの関与 蝸牛血流の調節は蝸牛外因子(神経、ホルモン等)にはよらず、蝸牛内に発生する一酸化窒素(NO)によっている可能性を証明した。すなわち、NOは血管条毛細血管内皮より放出され、血管内腔に働いては血小板凝集抑制を、血管外周においては周皮細胞に働き弛緩作用を行い、血管条血流を調節しているものと推定された。この結果は、突発性難聴をはじめ、内耳循環障害がその病態であろうと考えられている疾患治療に大いに役立つものと考える。 ♯3.蝸牛においては鼓室階に面した膜面に付着するマクロファージが、外来異物に対する防御としてのフリーラジカル発生源の可能性が示唆された。 ♯4.内耳にBiological response modifier(BRM)を接種したところ、局所に他臓器同様、早期からのマクロファージの集積をみた。 ♯1、2 3、4共、新事実であり、♯1.の結果は内耳薬物中毒の軽減に対する治療法に結び付くものと考える。♯2.の結果は非常にreasonableであり、蝸牛血管条血流が局所のautoregulation mechanismでしかもフリーラジカルで調節されていることは非常に興味深い結果と考えられた。♯3、4の結果は内耳には、他臓器同様局所防御機構が存在することを示唆するものであり、これをいかに修飾するかが今後の内耳治療の1つに繋がるものと考える。
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