研究課題/領域番号 |
07671877
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
愛場 庸雅 大阪市立大学, 医学部, 講師 (10192840)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 嗅覚 / 味覚 / 疫学 / 予後 / 錯誤 / アポトーシス / 亜鉛 / 漢方薬 / 自然寛解 / MRI / 嗅覚検査法 / 嗅神経 / TUNEL法 / ウィルス / 鉄 / 嗅上皮 |
研究概要 |
(1)嗅覚味覚障害患者に関する疫学的調査。以下の点が、明らかになった。 (1)多種類の薬物により嗅覚味覚機能障害が引き起こされ、嗅覚味覚障害患者の1〜3割近くを占める。 (2)嗅覚味覚合併障害では、風味障害が25%あり、味覚障害の方が嗅覚障害よりも改善が早い。 (3)嗅覚障害の自然寛解は、感冒で約30%、頭部外傷で約10%である。自然寛解例は治療に対する反応も早く、頭部外傷例ではとくに改善率が良い。 (4)嗅覚障害の予後をかかわる因子としては、その原因が最も重要である。女性のほうが改善率が良いが、年齢差はない。罹病期間が長期になると改善率は下がる。検査が脱失、無反応の症例は改善率が低い。呼吸性、混合性嗅覚障害は、寛解増悪を繰り返す率が高い。改善した症例は大半は6か月以内にその効果が出るが、改善までの期間は鼻炎群では比較的短く、感冒群、頭部外傷群では比較的長い。 (5)味覚錯誤は約60%の症例に見られ、味覚の閾値が高いほうが錯誤を起こしやすく、塩味、酸味刺激が間違われ易い。特定の病態と錯誤との関連性は明らかではない。 (2)嗅上皮および味蕾に関する形態学的研究 実験動物で嗅上皮における細胞死(アポトーシス)をTUNEL法を用いて同定し、嗅上皮細胞のturnoverにアポトーシスが関与している事を示した。 (3)嗅覚味覚機能検査法に関する研究 (1)先天性嗅覚障害の診断に際し、MRI画像検査が有用であることがわかった。 (2)嗅覚障害患者の自覚的な重症度変化と検査結果の変動が一致する率は約60%で、軽症の場合に一致率が下がる。検査項目のうち最も一致率が高いのは基準嗅力検査の認知閾値であった。 (4)嗅覚味覚障害の治療法に関する研究 (1)亜鉛製剤を嗅覚障害患者に与し、治療効果の上昇を期待できる事がわかった。 (2)味覚障害特に自発性異常味覚や、舌痛症、口腔乾燥症などについて漢方薬治療を試み、有効率は20〜50%程度であった。
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