研究概要 |
目的:角膜実質細胞のmatrix metalloproteinase(MMP)発現にたいする緑膿菌病原因子の影響を検討した。 方法:家兎角膜実質細胞を単層に培養した後、無血清培地に換え、緑膿菌エラスターゼを100,30,3ng/ml、アルカリプロテアーゼを100,30,10,3ng/ml、エキソトキシンAを10,3,1,0.3μg/ml,LPSを30,10,3,1μg/mlをそれぞれ培養液に添加した。経時的に培養上清を採取し、上清中のmatrix metalloproteinaseをゼラチンおよびカゼイン.ザイモグラフィで解析したところ以下のような結果をえた。 結果:何も培地に添加しない場合は、MMP-2がわずかに検出された。エラスターゼを48時間添加するとMMP-2のほかMMP-9も検出され、それぞれ活性型と思われるバンドも検出された。アリカリプロテアーゼ添加でもMMP-2とMMP-9の両方がみられたが、活性型はみられなかった。また、LPSとエンドトキシンAでもMMP-2とMMP-9の両方が増加した。 緑膿菌病原因子が角膜実質細胞からのMMPの発現を亢進させ、角膜細胞由来のMMPが緑膿菌性角膜潰瘍形成に関与している可能性が示された。
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