研究課題/領域番号 |
07671992
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
落合 智子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20130594)
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研究分担者 |
落合 邦康 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50095444)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アポトーシス / T細胞 / 歯周病原性細菌 / 揮発性脂肪酸 / 酪酸 |
研究概要 |
1.ガスクロマトグラフィーでの分析結果からP. gingivalis, P. loescheii及びF. nucleatumが産生するVFAはいずれも酪酸、イソ吉草酸又はプロピオン酸が主要構成脂肪酸であった。2.胸腺細胞、Sp-T及びJurkat細胞では主要構成VFAである酪酸(BA)添加により生存率が著しく低下した。断片化率の測定からBAは胸腺細胞に対しては1.25mM以上の濃度でまた培養6時間以降に急激にアポトーシスを誘導した。Sp-T及びJurkat細胞に対しては2.5mM以上の濃度でまた培養16時間以降に急激なアポトーシスを誘導した。胸腺細胞ではCD4^+8^+細胞に、またSp-T細胞ではCD4^+T細胞にアポトーシスが誘導された。3.BAで誘導されるDNA断片化がZnSO_4及びaurintricarboxylic acid添加により阻害されることから、内因性エンドヌクレアーゼの活性化がDNAを無機能なサブユニットへと分断する最終シグナルになっていることが示唆された。更に、BAで誘導される胸腺細胞のアポトーシスはシクロヘキサミドやアクチノマイシンD添加により抑制されたことから、そのDNA断片化に新たなタンパク質やRNAの合成を伴うことが示唆された。4.BAで処理した胸腺、Sp-T及びJurkat細胞は培養2-3時間より細胞内Ca^<2+>増加を認め、またCa^<2+>キレート剤である2/AMがDNA断片化反応を抑制したことからBAによるアポトーシス誘導に細胞質Ca^<2+>濃度の上昇が関与していることが示唆された。5.BAで誘導される胸腺細胞のアポトーシスはPKC阻害剤であるH-7及びStaurosporineの添加により抑制されたがSp-T及びJurkat細胞では影響が少なかった。 以上の結果からBAは胸腺、Sp-T及びJurkat細胞に対しアポトーシスを誘導した。アポトーシスを誘導する為のBAの濃度及び時間は細胞の成熟度に深く関与していることが示唆された。また、CD4^+T細胞でのより高率なアポトーシス誘導はBAによるCD4^+T細胞からのサイトカイン産生抑制という我々のこれまでのDataを裏付けるものである。更に、PKC阻害剤に対する感受性の違いからBAにより誘導される胸腺,Sp-T及びJurkat細胞のアポトーシスはその誘導機構が異なる可能性が示唆された。
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