研究課題/領域番号 |
07672013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米原 典史 大阪大学, 歯学部, 講師 (70124534)
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研究分担者 |
竹村 元秀 大阪大学, 歯学部, 講師 (70192169)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アジュバント / 一酸化窒素 / NADPH-diaphorase / 痛覚過敏 / ラット足蹠 / N^ω-nitro-L-arginine methyl ester / アジュバンド / 下歯槽神経 / 三叉神経感覚核 |
研究概要 |
単純な構造をもち、かつ化学的に反応性に富む一酸化窒素(NO)は、免疫系、血管系、神経系において、それぞれの部位に存在するNO合成酵素により産生され、サイトカイン制御、血管弛緩作用、神経伝達、学習・記憶といった精神作用など多様な生理作用を持つことが明らかとなり、新しいタイプの生理活性物質として注目をあびている。我々は、痛覚情報伝導系におけるNOの役割を解明することを目的として本研究を行った。ラット後肢足蹠の熱刺激(急性炎症;47度30分間刺激)および足蹠皮下へのアジュバント(AD)投与(慢性炎症)による痛覚閾値の変動と痛覚伝導路第一次中継核でのNO合成酵素活性の変動の相関性を調べた。AD投与4時間後から5日後にかけて炎症部位で著しい熱刺激に対する感受性閾値の低下が観察された。正常ラット腰椎(L4-L5)でのNO合成酵素(NADPH-diaphorase)陽性細胞の分布は、I〜V層で観察された。特にII層とIII層の境界部位において高密度の陽性細胞の分布が認められた。NADPH-diaphorase活性は、アジュバント投与3日後、炎症側浅層領域(I〜III層)で著明に増加した。熱刺激(急性炎症)では、NADPH-diaphorase活性の変化は認められなかった。NO合成酵素阻害剤N^ω-nitro-L-arginine methyl ester (L-NAME)は、アジュバント投与3日目での疼痛閾値の低下に伴う痛覚過敏を有意に抑制した。このL-NAMEの抑制効果は、L-arginineにより拮抗された。アジュバント投与1日後の痛覚過敏および正常ラットの疼痛閾値は、L-NAMEにより影響受けなかった。これらの結果は、感覚異常(アロディニア)にNOが関与することを示唆している。現在、下歯槽神経の緩やかな結紮、歯肉炎症等を処置ラットを用い口腔領域での異常感覚とNOとの関連について検討中である。
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