研究課題/領域番号 |
07672018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
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研究分担者 |
江口 貴文 徳島大学, 歯学部, 助手 (90263847)
石田 甫 徳島大学, 歯学部, 教授 (70028364)
天野 伊知郎 徳島大学, 歯学部, 助手 (20212566)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 唾液腺 / 細胞増殖 / イソプロテレノール / 核蛋白質 / ヒストン蛋白質 / 非ヒストン蛋白質 / りん酸化 / 老化 |
研究概要 |
細胞の分裂制御に関する研究は制癌、老化との関連で極めて重要視されている。ラットにイソプロテレノール(lPR)を1回投与すると唾液腺に特異的な細胞増殖が誘導され、この刺激情報の伝達機構には種々の内因性調節因子の関与が考えられているが、その詳細は全く不明である。そこで本研究はこの内因性調節因子を細胞増殖を制御する核りん蛋白質の酵素的修飾機構との関連で検索し、細胞増殖に関与するシグナル伝達機構を明らかにすることを目的として実験を行い下記の成果を得た。さらに、老化の指標として重視されている核りん蛋白質の老性動態についても追究した。 1.IPR100mg/kgをラット腹腔内投与後、当初の「実験計画・方法」に記した方法にて経時的に顎下腺単離核を調製し、[r^<-32>P]ATPを含む反応液中で加温振盪して核蛋白質をりん酸化後ヒストン(H)及び非ヒストン(nH)蛋白質分画した。4週齢ラットの顎下腺nHのりん酸化レベルはIPR投与後10時間後に上昇しはじめ22時間後に最高値に達し26時間後に対照群のレベルにまで回復した。このIPR投与後りん酸化が開始されるまでの時間及び対照群レベルにまで回復する時間は加齢とともに延長した。 2.クロマチン結合型プロテインキナーゼ活性の加齢変化は、1.とよい対応を示していた。 3.IPRを投与した後、顎下腺を摘出する30分前に[^3H]thymidineを尾静脈より投与してDNAへの[^3H]thymidineの取り込みを測定した。4週齢ラットでは、IPR投与14時間後に取り込みは増加しはじめ22時間後に最高に達し、30時間後に対照群レベルにまで回復した。このIPR投与後[^3H]thymidineのDNAへの取り込みが開始されるまでの時間、最高に達するまでの時間及び対照群レベルにまで回復する時間は、加齢と共に延長され、どの週齢においてもnHのりん酸化レベルがIPR投与によって上昇するまでの時間に先行されていた。 4.[^<32>P]orthophosphateを腹腔内投与し、2時間後IPRを1回投与したラットより、経時的に顎下腺を摘出しanti-c-fos,anti-c-junを使った免疫沈降物をSDS-PAGEに供し、オートラジオグラフィにて解析するとc-fos蛋白質の急激なりん酸化が認められた。IPR投与1時間後にはc-fosmRNAの有意な上昇が認められたが、c-junの発現は認められなかった。c-fosmRNAの加齢変化はGs蛋白質の加齢変化とよい対応をしていた。 以上のことより、核酸合成に及ぼすIPRの影響はnHのりん酸化が重要な投割を果たしており、そのりん酸化はクロマチン結合型protein kinaseに依存していることが示唆された。また、β-受容体から核へのシグナル伝達機構にc-fosが関与している可能性が示された。
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