研究課題/領域番号 |
07672090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 一祐 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60085743)
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研究分担者 |
須山 祐之 東京歯科大学, 歯学部・衛生学講座, 講師 (10163065)
野呂 明夫 東京歯科大学, 歯学部・歯科保存学第3講座, 講師 (90147231)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 空中浮遊菌 / 空気清浄機 / 院内感染対策 / 空中浮遊菌(感染性微生物粒子) / 口腔レンサ球菌 / 感染性浮遊粉塵 / 口腔内レンサ球菌 |
研究概要 |
本研究は、歯科診療時における歯牙切削・スケーリング等に伴い口腔内から飛散するエアロゾル(微生物粒子)の中に血液・唾液に混入した感染性の高い細菌・ウィルスが含まれている場合を想定した研究である。私達は口腔レンサ球菌を汚染の指標として、飛沫感染や歯科診療室内の空気環境汚染の可能性と評価法について検討してきた。一方、飛沫感染対策については、『口腔外バキューム装置』の臨床応用時の効果について検討してきた。 その結果、空気を清浄化した空間で『口腔外バキューム装置』を併用することが、より効果的であることを明らかにしてきた。そこで今回は、歯科用に開発された『コンパクトクリーンブ-ス』内に、東京技研社製の『クリーンエリア装置』(空気清浄機内蔵)を備えて、その効果についてモデル実験を実施した。 また、東京歯科大学病院歯科診療室・待合室・研究室の空中浮遊菌の分布を、歯種別割合で比較検討して、歯科医療施設における空中浮遊菌の動態を調査した。 歯科診療時において、『クリーンエリア装置』は、天井部の送風口直下から患者の顔面付近の一定処理領域(30cm×30cm×150cm)を、0.3μm以上の粒子径の粉塵を清浄度class10,000/CF以下の清浄度の高い空気の支柱として存在させ、他の空間と明らかに清浄度の違う領域帯(空間)を形成した。そして、同装置は、設置スペースや歯科治療操作への簡便性を可能にした。また、歯科診療の中で非発塵作業を伴う静的処置(回転切削器具を用いない観血処置・手用スケーラーによるスケーリング処置・歯内療法処置など)に対しては、同装置の単独使用でも大きな除塵効果を示し、手術創面の感染防止に大いに役立つものと示唆された。しかし、発塵作業を伴う動的な処置(歯牙切削処置・超音波スケーリング処置など)に対しては、同装置の単独使用では、的確な除塵効果を得られず、切削粉塵を歯科診療室内にまき散らす可能性があるため、『口腔内および口腔外バキューム装置』の併用使用が、歯科診療室内の空気清浄化に必要不可欠なものと示唆された。 また、α溶血性レンサ球菌が歯科診療室のみから特異的に見つかったことから、歯科診療により口腔レンサ球菌が、歯科診療室内に飛散・浮遊することが確認できた。今回の実験において、口腔レンサ球菌を飛沫感染ルートの指標としたことは、とても有効な手段であった。
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