研究課題/領域番号 |
07672099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
林 宏行 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (50098018)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 歯芽再植 / 再植歯保存液 / ヒト歯根膜細胞 / 歯牙再植 / 再植 |
研究概要 |
外傷歯を再植した場合の予後は、再植歯根に残存している歯根膜の量や傷害程度などに影響されることが考えられる。実際には、再植までの間、再植歯歯根膜の活性度を保たせるために、再植歯は様々な液体中に浸漬されている。本研究においては、再植の予後を良好とするための方法を見い出すためのfirst stepとして、再植歯保存液として有用と考えられる4種類の液体のピアスパンTM、滅菌生理食塩水、ヒト安静唾液および牛乳がヒト歯根膜細胞(PDL細胞)に及ぼす影響を、細胞内LDH活性、細胞増殖能、細胞の形態および浸透圧の面からin vitroでの検索を行った。 【結果】細胞内LD技活性:ピアスパンTMおよび牛乳を作用させた細胞では高い活性を示した。滅菌生理食塩水を作用させた細胞では、経時的に活性の低下がみられ、ヒト安瀞唾液を作用させた細胞では最も低い活性を示した。 細胞増殖能:ピアスパンTMおよび牛乳を作用させた細胞は対照とほぼ同様の増殖能を示した。滅菌生理食塩水を作用させた細胞の増殖能はピアスパンTMおよび牛乳よりもわずかに劣っていた。ヒト安静唾液作用時の増殖能は最も低かった。 細胞の形態:ピアスパンTMを作用させた細胞は原形質突起や細胞質がやや縮小する傾向を示した。滅菌生理食塩水では細胞は紡錐形から円形に変化し、一部には原形質突起が消失して、ディッシュ面から剥離するものがあった。ヒト安静唾液を作用させた細胞は円形化を示し、ディッシュ面から剥離する細胞が多く認められた。しかし、いずれの液体も細胞を死滅させるには至らず、ピアスパンTM、滅菌生理食塩水、牛乳を作用させた細胞では、cell sheetの形成が認められた。 浸透圧:ビアスパンTM、滅菌生理食塩水および牛乳は対照に近似した値を示した。しかし、ヒト安静唾液は他の3種類の液体および対照に比較して低調であった。また、保存液の浸透圧は細胞内LDH活性および細胞増殖能に影響を与えることがわかった。
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