1.人工歯の衝撃試験 実験に使用した人工歯は、リブデントFB20 28M(ジ-シ-社製)の下顎第1大臼歯であり、レジン歯および陶歯を用いた。落錘衝撃試験機を用い、落錘の加速度を測定し、試料の吸収エネルギーと変形量を計算した。下顎第1大臼歯近心頬側咬頭に加える適正な荷重は300Nとした。アルミ製落錘の重量は0.24Nで15.0cmの高さから綱製の試料テブールの人工歯近心頬側咬頭に落下させた。落錘の咬頭衝突時のスピードは1.71m/secであった。吸収エネルギーは陶歯と比較してレジン歯が有意に大きかった。 2.人工歯植立模型の動的粘弾性試験 バイオメカニカル スペクトロメータ(工業技術院機械技術研究所所有)により人工歯植立模型の動的粘弾性試験を行った。実験条件は、基準荷重10.0N、振動荷重3.0N、基準荷重20.0N、振動荷重5.0Nで行った。その結果、レジン歯、陶歯ともに乾燥状態と湿潤状態でのそれぞれの試料のstiffnessおよびtan σを比較したが、レジン歯においても陶歯においても有意な差は認められなかった。湿潤状態でのstiffnessおよびtan σ の値をレジン歯と陶歯との間で比較すると、陶歯でstiffnessの値が高く、tan σの値は低かった。 3.疲労試験 試料の疲労試験を現在行っており、陶歯については一定の傾向が得られている。今後レジン歯の実験を行う予定である。
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