研究概要 |
本研究は、1)現有の3-D AUTO TRACKING SYSTEMを顎運動同時記録システムとして確立し、口唇全体を撮影野に収め、顎運動と両側口角の動きを三次元時系列データで取得可能とする。2)顔面頭蓋に設定された基準座標系のなかで顔面形態とともに定量的に評価し、動的な口唇運動モデルを形成する。3)正常有歯顎者及び義歯装着者について上記モデルを形成し、歯列・義歯という補綴学的要因がこのモデルにとのようなパラメータとして関与しているかを検索するものである。平成7〜8年度において以下のことを行なった。 1.3-D AUTO TRACKING SYSTEMのシステムアップ 当教室開発の3-DAUTO TRACKING SYSTEMはビデオラッカー2台をステレオ配置し、追跡点の三次元座標を120Hzでリアルタイムに出力するものである。現在は入力データの処理はパソコンで行なっているが、時系列データの大量処理に備えて、処理コンピュータを変更した。またMotion Capture Syatemを現システムに付加し、両側口角の動きを同時追跡可能なシステムにした。 2.顎運動同時記録システムの構築 3-DAUTO TRACKING SYSTEMに現有のARTIST120を加え、口唇運動と顎運動を同一時間軸で記録解析できるようにソフトウエアを改良した。これにより顎運動を含めた口唇運動の評価が可能となった。 3.口唇の静的な生体力学的モデルの作製 当教室現有のステレオ写真を用いた三次元的形態測定システムで被験者顔面及び前歯の形態データと三次元位置関係を取得し基準座標系を設定した。両側口角,上顎前歯の座標から口唇の生体力学的モデルを作製した。 4.口唇の静的な生体力学的モデルの作製 当教室現有のステレオ写真を用いた三次元形態測定システムで被験者顔面及び前歯の形態データと三次元的位置関係を取得し基準座標系を設定した。両側口角,上顎前歯の座標から口唇の生体力学的モデルを作製した。 5.口唇運動の時系列モデルの作製とデータベース化 有歯顎被験者に咀嚼などの機能運動を行なわせ、3-D AUTO TRACKING SYSTEMによって両側の口角の動きを計測し、上記のモデルに代入し、口唇運動を時系列モデルとして解析する試みを継続中である。さらにARTIST120からの顎運動データと伴せ時系列解析をおこなうソフトウエアを開発した。
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