研究概要 |
本研究は,バイオセラミックス開発のための接着界面における構造変化を理論的に解析することである。第一に,界面モデルをつくり,それを埋没材でのシリカ/石こう界面,セラミックス界面などに応用する。第二に,象牙質接着性とその接着機構に焦点をあてて,layerの構造を検討した。従って,その内部での応力をどのように解析するかが重要であり,それらはその接着界面における構造変化を解析するモデルとして応用できることから,バイオセラミックス試験に関する臨床応用試験をモデル化するため,接着界面への関わりについて実験及び計算を行うこととする。 得られた主な結果をまとめると,1)界面モデルの応用-とくに,シリカ/石こう界面やセラミックス界面での応力の推定を行うことによって,接着界面に沿って応力の値が異なることを明らかにした。2)象牙質/レジン界面モデル-超微小硬度解析結果から,接着領域での接着性レジンの硬さと弾性率を求めた。X線光電子解析では,hybrid layerとしてのコラーゲン/接着性レジン複合体のうちでコラーゲンに対する各種プライマー処理効果を明らかにした。界面構成体の性質は物性(ポアソン比,硬さ,弾性率)によって影響されるので,その厚さ(0.1〜10μm)や象牙質接着領域の大きさによる影響について明らかにした。以上の基礎的結果からバイオセラミックス開発モデルとしての実験によって接着界面の力学モデルを明確にすることができた。
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