研究課題/領域番号 |
07672212
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤田 幸弘 東京医科歯科大学, 歯学部, 文部教官助手 (50192729)
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研究分担者 |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014200)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 顎関節症 / 顎関節痛 / 下顎側方偏位 / 不正咬合因子 / 睡眠脳波 / 咀嚼筋筋電図 / 持続的筋収縮 |
研究概要 |
顎関節症は歯科領域における第3の疾患とされ、その発症メカニズムの解明は急務な課題である。申請者は、顎関節症状の中でも、特に問題となる顎関節痛に着目し、下顎側方偏位といった不正咬合に睡眠時の不随意な咀嚼筋の持続性収縮が加わることで果して顎関節痛が発現するのか否かを調べるために、以下のような研究を行った。 下顎側方偏位を有する成人男子6名を被験者とした。内訳は顎関節痛を現症として有するもの3名(有症状者群)、顎関節症状を有しないもの3名(健常者群)であった。そして、これらの被験者の下顎側方偏位量を検討し、さらにそれらの睡眠時の脳波、眼球運動図、咀嚼筋筋電図(左右の側頭筋・前部・側頭筋・後部、咬筋、顎二腹筋より表面電極にて双極導出)、咬合力(厚さ1mmの感圧導電性エラストマーシートを応用したイナストマーPX-128により計測)を同時記録し、誘発される持続的筋収縮の発現パターンを両群において比較検討し、以下のような結果が得られた。 1.有症状者の下顎側方偏位量の方が健常者のそれに比べて大きかった。 2.有症状者群、健常者群ともに、睡眠段階が浅化する際に、閉口筋群に一過性の筋収縮が認められ、特に咬筋の筋収縮パターンが咬合力の発現パターンに一致していた。しかし、その持続時間は有症状者群の方が長くなる傾向が認められた。 3.visual analogue scale(VAS)により表示させた顎関節の痛みの量と咬筋筋収縮持続時間との間には、筋収縮持続時間が大きい際にVAS値も大きくなる傾向がみられた。 以上より、下顎の側方偏位という不正咬合要素に睡眠時に誘発される咬筋の持続的筋収縮というものが加わることで顎関節痛が惹起されるという顎関節痛発現の1つの機構の存在が示唆された。
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