研究課題/領域番号 |
07672226
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
井上 昌一 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30028740)
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研究分担者 |
松田 理恵 鹿児島大学, 歯学部, 教務職員 (20264450)
松下 信美 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70264447)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Streptococcus milleri群 / Streptococcus anginosus / Streptococcus constellatus / Streptococcus intermedius / 腫瘍壞死因子 / インターフェロン-δ / アナフィラキシ-様反応 / 炎症性サイトカイン |
研究概要 |
口腔常在のStreptococcus milleri群が、口腔ばかりでなく全身の感染症の原因菌になりうる事を示唆する多数の報告がある。そこで、このレンサ球菌群の病原作用の一端を明らかにするために標記の研究を行った。手始めに、ムラミルジペプチド(MDP)を前投与したマウスに、テスト菌体を投与して代表的な炎症性サイトカインである腫瘍壞死因子(TNF-α)とインターロイキン(IL)-6誘導作用と、アナフィラキシ-様反応惹起作用を調べた。なおこの実験システムでは、種々の菌体成分がサイトカイン誘導作用を示し、ある種のリポ多糖(LPS)がアナフィラキ-様反応を惹起する事が報告されている。具体的には、ヒトの口腔(特にデンタルプラーク)あるいは全身の感染症より分離されたS.milleri群の50余株(S.anginosus18株、S.constellatus14株およびS.intermedius19株)の凍結乾燥標品(500μg)をMDP(100μg)を予め投与したC_3H/HeNマウスに静注したところ、供試した殆どの菌株が、10-15分後にアナフィラキシ-様反応を惹起して、半数以上の菌株が、少なくとも1匹のマウスを1時間以内に死亡させた[致死活性を示したのは S.anginosus9株(50%)、S.constellatus7株(50%)、S.intermedius13株(68%)]。さらに生残したマウスの血清中のサイトカインレベルを測定したところ、ほぼ全てのマウスで高レベルのTNF-αとIL-6が認められた。しかし、アナフィラキシ-誘導活性とサイトカインレベルは必ずしも相関せず、TNF-αとIL-6レベルの間にも必ずしも平行関係は認められなかった。今後、さらに菌株を増やして検討を進めるとともに、強い活性を示した菌株について、種々の菌株表層成分を調製して、それぞれの活性を担う構造を明らかにしたいと考えている。さらに、得られた菌体成分の生物活性を種々のin vitro実験系でも検討して、S.milleri群の全身感染症との係わりを追及したいと考えている。
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