研究課題/領域番号 |
07672291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
土橋 朗 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40138962)
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研究分担者 |
濱田 真向 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (60246676)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 不斉識別 / 対掌体 / アミノ酸 / 疎水性 / 静電力 / ホストーゲスト錯体化 / 疎水性相互作用 / 芳香族アミノ酸 |
研究概要 |
水中での不斉識別を達成することを目的として、4,4-ビス(4-(2-ブロムエトキシフェニル)ピペリジンに2分子のL-チロシンをフェノール性水酸基を介してエーテル結合し新規なホスト化合物1を合成した。このホスト化合物1はチロシン残基間の相補的な静電結合によって環状構造を作り、その内部に疎水的空孔を形成するものであり、静電的相互作用と疎水的相互作用を用いて水中でゲスト分子を包接すると考えられる。 1をコーティングしたオクタデシル基結合シリカゲル(ODS)を逆相クロマトグラフィーに適用すると、フェニルアラニンやドーパ、トリプトファンなどの遊離型の芳香族アミノ酸の対掌体が光学分割され、フェニルアラニンで最大の分離係数が得られた。いずれの対掌体においてもL対掌体はD体よりも強く保持され、1はこれらの芳香族アミノ酸のL体と安定なジアステレオマ-錯体を形成することが明らかとなった。 この1の構造、並びに1とL-フェニルアラニンの錯体構造を分子力学計算および分子動力学計算を用いてモデリングし、最安定コンホマ-を検索した結果、1はチロシン残基間の静電結合によって環構造を作り、またL-フェニルアラニンはそのCOO^-およびNH_3^+部分を静電部分サイトとして1のチロシン残基部分と結合し、芳香環部分が空孔内に取り込まれた構造であることが推定された。また、ホスト1は水溶液中で会合定数約170の2量体化平衡を持ち、ダンシル酸(DNS)や8-アニリノ-1-ナフタレンスルホン酸(ANS)や、ピレンなどの蛍光プローブを用いて蛍光測定を行った結果、こうした2量体化した1がゲスト分子を取り込む疎水的な空孔を作り出すことを明らかとなった。
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