• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

赤血球膜蛋白質バンド3による膜流動性の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 07672308
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理系薬学
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 幸男  東北大学, 薬学部, 助手 (60134003)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード膜蛋白質 / バンド3 / グリコホリン / 膜流動性 / 抗グリコホリン抗体 / 蛍光顕微鏡 / ESRスペクトル / CDスペクトル
研究概要

赤血球においてアニオン輸送を司る膜蛋白質バンド3は赤血球の形態や変形能の調節にも関与することが明らかになってきた。一方、赤血球の主要な糖蛋白質であるグリコホリン(GP)も同様の機能を有することやGPに抗体が結合すると赤血球の変形能は低下することが知られている。本研究はバンド3の状態変化と赤血球膜の流動性の変化とがどう関係しているのかを明らかにすることを目的として行なった。
試料としてヒト赤血球を用い、抗GPA抗体を添加した場合バンド3の存在状態がどう変化するのかについて検討した。蛍光性色素エオシン-5-マレイミド(EMI)でバンド3をラベルした赤血球について蛍光顕微鏡観察を行なったところ、抗GPA抗体の添加量に応じて赤血球膜表面にEMIのクラスターが観察されるようになった。このとき、赤血球はエキノサイト状に変化した。バンド3が凝集したことを示唆する。
また、スピンプローブ剤として5-ドキシルステアリン酸及び16-ドキシルステアリン酸を用いてESRスペクトルを測定し膜流動性について検討したところ、抗GPA抗体の濃度に依存した膜流動性の低下が観察された。この低下は脂質二重層膜の中央付近で顕著であった。コンカナバリンAの添加によっても同様の現象が認められた。バンド3の凝集が流動性に影響を与えることを示す。
さらに、EMIをラベルした赤血球ゴ-ストについて誘起円二色性(CD)スペクトルを測定して、バンド3の構造がどのような影響を受けているのかを調べた。バンド3の細胞質側ドメインにEMIをラベルしたゴ-ストでCDスペクトルの変化が観察された。
以上の結果に基づいて、抗GPA抗体に起因する膜流動性の低下は次のような機構によると考えた。すなわち、抗GPA抗体がGPと結合するとGPの細胞質側ドメインに構造上の変化が起き、バンド3との親和性が高くなる。このときバンド3の構造も変化し、これに伴い骨格蛋白質によるネットワーク構造が縮退するため膜の流動性が低くなる。このような機構が妥当であるかどうかを検証するため、インサイド-アウトのゴ-ストを調整しさらに検討を加えている。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi