研究課題/領域番号 |
07672320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
日野 知証 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90208778)
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研究分担者 |
川島 嘉明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (50171616)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | W / O / Wエマルション / 経カテーテル動脈塞栓療法 / 塩酸エピルビジン / リピオドール / 急性毒性 / 溶血性 / Wエマルジョン / 化学塞栓療法 / 塩酸エピルビシン / 肺水腫 |
研究概要 |
内水相にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を、外水相にゼラチンを添加することにより、油性造影剤リピオドールを油相とした水溶性抗癌剤塩酸エピルビジン(EPI)封入W/O/Wエマルション(WOWE)を、2段階パンピング法で調製することができた。水相には市販の非イオン性造影剤(イオヘキソ-ル)注射液を用いた。 このWOWEは、多量の薬物を安定に封入,保持でき、低粘性であった。また、WOWEのヒト赤血球に対する溶血性は、現在臨床で経カテーテル動脈塞栓療法(TAE)に使用されているO/Wエマルション(OWE)よりも低かった。 次に、EPI含有及び非含有のWOWE及びOWEをラットの尾静脈から投与して、生存日数,剖検後の組織傷害について比較検討した。 その結果、OWEを投与したラットは、EPIの有無に関わらず、1.5ml/kg以上の投与で2日以内に肺水腫により死亡した。EPI含有WOWEを2.0ml/kg以上投与したラットでは、7〜9日後にEPIの毒性により衰弱死した。これらのラットの剖検結果では、胃内の出血や潰瘍、胸腺の萎縮が観察された。この胃や胸腺の外観及び組織の変化がOWEではWOWEより低投与量で観察されたことから、WOWEではEPIを油滴中に封入することにより毒性が軽減されたと考えられる。 以上より、本研究者等が開発したWOWEは現在臨床で使用されているOWEより毒性が低く安全で、TAEに適すると考えられる。今後は、動物実験により有効性を調べ、臨床応用へと研究を進める予定である。
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