研究課題/領域番号 |
07672329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (00130758)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | フラクタル解析 / 立体フラクタル次元 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 経皮吸収 / 角質細胞 / 皮膚刺激 / ヘアレスラット / 吸収促進剤 |
研究概要 |
経皮吸収促進剤の適用によって惹起される皮膚表面構造の微細な変化を立体フラクタル次元として定量化し、吸収促進機構の直接的な解明を行うとともに、高感度な刺激評価法開発の可能性について検討した。オスミウム酸およびグルタルアルデヒドにより固定したヘアレスラットの皮膚表面の形状を反射型共焦点レーザー顕微鏡により深さ方向に連続21層連続撮影した。これらの画像をスキャナーを介してコンピューターに入力し、境界線図形を作成した。各層毎に得られた境界線図形を重ね合わせ、皮膚の表面構造を21層からなる等高線図形としてディスプレイ上に再構築した。このようにして得られた立体図形を一辺の長さdの立方体で被覆し、被覆に要した立方体の総数Nを計測した。dとNとの両対数プロットをとり、その傾きから立体フラクタル次元を推定した。以上に概要を示した解析手法により、未処理皮膚の表面構造の立体フラクタル次元を求めた結果、その値は2.17と推定された。エイゾンを含有するアルコール性ヒドロゲルで皮膚を処理した場合、未処理皮膚とほぼ同等の立体フラクタル次元を示し、皮膚表面の微細構造がエイゾンの適用によって大きく変化することはないと考えられた。一方、リモネンで処理した皮膚では立体フラクタル次元の著しい低下が観察された。皮膚の組織学的観察では、リモネンは水和浮腫作用が強く、その刺激性は皮膚の浅い部位に限局されていたのに対し、エイゾンは皮膚表面に紅斑を伴うより深部への刺激を惹起することが確認された。リモネンとエイゾンで見られた立体フラクタル次元の差はこれらの促進剤によって引き起こされる組織学的変化と良く対応しており、促進剤の皮膚に及ぼす影響を立体フラクタル次元によって、定量的かつ客観的に評価し得ることが示唆された。
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