研究課題/領域番号 |
07672353
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
根岸 学 京都大学, 薬学部, 助教授 (60201696)
|
研究分担者 |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学部, 助手 (80243038)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | プロスタグランジンE2 / サブタイプ / アイソフォーム / 脱感作 / 神経細胞 / Rho / G蛋白質 / 中枢神経系 / Gi活性 |
研究概要 |
PGE受容体には、4つのサブタイプが存在し、PGE_2の複雑な生理作用を担っている。これらのサブタイプの中で、EP3受容体にはC末端鎖の構造のみが異なる3つのアイソフォームが存在する。3つのアイソフォームのGi活性を調べると、アゴニストに依存しない常時発現している活性で異なり、それぞれアゴニスト非依存性活性の全くないもの、部分的にあるもの、殆ど非依存的な受容体であった。一方、PGE受容体のサブタイプの中で、EP2とPE4受容体は共にGsを介してアデニル酸シクラーゼを活性化する。しかし、両受容体はその活性の制御機構において異なり、EP4受容体は受容体キナーゼによる短期脱感作を受けるが、EP2受容体は全く受けなかった。又、PGE_2の代謝産物に対する感受性でも異なり、EP4受容体は代謝産物に全く反応しないが、EP2受容体はかなり反応した。これらのことから、EP4受容体は一過性の反応性を示す受容体であるのに対し、EP2受容体は持続的作用を示す受容体であることがわかった。この様に、PGE_2の生理作用の多様性は、PGE受容体に機能的に異なる様々なサブタイプやアイソフォームが存在することに起因するものと思われる。 4つのPGE受容体サブタイプの中で、EP3受容体が中枢において最も発現量が高くかつ幅広く分布していた。その発現はニューロンに特異的で、特に海馬、視床下部、脳幹に多く見られた。神経系におけるEP3受容体の機能を調べるため、PC12細胞に受容体を発現させると、EP3アゴニストは百日咳毒素非感受性の三量体G蛋白質を介して、低分子量G蛋白質のRhoを活性化し、神経突起の退縮と成長円錐の消失を引き起こした。このことから、EP3受容体はPhoを介して神経細胞の形態を制御し、神経の可塑性を引き起こす可能性が示唆された。
|