研究課題/領域番号 |
07672406
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
櫨木 薫 理化学研究所, 宇井特別研究室, 研究員 (50146007)
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研究分担者 |
瀬谷 司 大阪府立成人病センター, 研究所6部, 室長
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | PI-3-キナーゼ / Fcγレセプター / GTP結合蛋白質 / チロシンキナーゼ / ワ-トマニン / O_2^-産生 / 食細胞 |
研究概要 |
ホスファチジルイノシトール(PI)3キナーゼはリン酸化チロシンに結合するSH2領域を持ち、インスリン、PDGF等の受容体型チロシンキナーゼまたはSrcに代表される非受容体型チロシンキナーゼによって活性化されることが認められてきた。しかし最近になってヘテロ3量体型GTP結合蛋白質(Gタンパク質)のβγサブユニットによって直接活性化される全く新しいPI3キナーゼが発見されたことから、この酵素には複数のサブタイプが存在し、それによって多様な応答に対応していることが予想される。近年、受容体型のチロシンキナーゼによるPI3キナーゼの活性化の機序がようやく解明されつつあるが、非受容体型チロシンキナーゼの場合は不明の点が多い。さらにPI3キナーゼが情報伝達系のどこに位置づけられ、どのような反応に寄与しているのかはまだほとんどわかっていない。本研究は情報伝達系におけるPI3キナーゼの役割を明らかにする目的で行われ、当該年度中に以下の知見を得た。1)食細胞による抗体依存性の異物の排除において、PI3キナーゼは必須である。2)食細胞の抗体レセプター(FcγR)をレセプターに対する抗体と二次抗体で架橋刺激すると前癌遺伝子c-Cblの産物(Cbl)がチロシンリン酸化され、リン酸化されたCblはPI3キナーゼの調節サブユニットと会合する。3)EcγRの他、補体レセプターの刺激やコンカナバリンAによる細胞表面抗原の架橋刺激はいずれもCblのチロシンリン酸化及びリン酸化されたCblとPI3キナーゼの会合を導く。4)CblはGrb2/Ashと恒常的には(無刺激で)結合している。5)Gタンパク質と会合するレセプター刺激(走化性因子fMLP)はCblのチロシンリン酸化を導かずにPI3キナーゼを活性化する。5)インスリン刺激はCblのチロシンリン酸化は起こさずに他のチロシンリン酸化タンパク質(IRS-1?)とPI3キナーゼ活性の会合を引き起こす。
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