研究課題/領域番号 |
07672416
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原田 繁春 東京大学, 薬学部, 助教授 (80156504)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 金属プロテアーゼ / X線構造解析 / 構造・機能相関 |
研究概要 |
Streptomyces caespitosusが産出する亜鉛プロテアーゼScNPは132個のアミノ酸残基からできており、83-87番目にかけて亜鉛プロテアーゼに共通に見いだされているHEXXH配列が存在している。これまで発見されている亜鉛金属プロテアーゼの中では最も分子量が小さく、他とのアミノ酸配列の相同性も見られない。立体構造は5本のβ鎖から成るβシートと3本のαヘリックスからできている。HEXXH配列(His83-Glu-Thr-Gly-His87)は2番目のヘリックス上に存在し、His83、His87、Asp93、水分子が亜鉛に対して4面体配位している。これまでにアミノ酸配列と立体構造が決定されている他の亜鉛金属プロテアーゼも、HEXXH配列中の2つのヒスチジンと水分子が配位し、ScNPとはアミノ酸残基の数・アミノ酸配列が異なるにも関わらず良く似たの主鎖のfoldingとなっている。 ScNPの活性測定をアゾカゼインを基質として行なったところ、最適pHは5〜6、最適温度は40℃であることがわかった。また、CDスペクトルから60℃付近まで立体構造は安定に保たれることがわかった。基質特異性はインスリンB鎖をScNPで加水分解し、生じたペプチド断片を単離・分析して調べた。その結果、インスリンB鎖はチロシンとフェニルアラニンのN末端側で切断されていることがわかった。 次に、ScNPの芳香族アミノ酸に対する基質特異性を構造化学的に理解するために阻害剤との複合体結晶の構造解析を行なった。その結果、阻害剤として使ったN-CBZ-Gly-Tyrのベンジルオキシカルボニル基のカルボニル酸素が亜鉛原子に配位していることがわかった。また、阻害剤が結合しているクレフト中にはポケットがあり、その壁は側鎖のない3つのグリシン残基で囲まれていた。芳香族アミノ酸の大きな側鎖が入り込むのに都合が良いように思われる。すなわち、このポケットがチロシンやフェニルアラニンの認識部位であると想像することができる。
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